スタッフブログ
犬のリハビリ
こんにちは。
リハビリテーション科担当の藤澤です。
昨日は関東地方は大雪でしたね。
病院の周りも一面真っ白。
今日は朝から2時間半、人生初の雪かきをしました。
筋肉痛にならないようにしながら、効率よく作業をする身体の使い方はどうかなーと考えながら、いろいろなやり方で作業を進めました。
ですが、「おー。この方法だといいかもしれない・・・」と究極のポーズをあみだしたところでうっかり滑って転んで手をついてしまい、手首を痛くしてしまいました(笑)
皆様もお気を付け下さいね。
さて、今日は椎間板ヘルニア術後に機能回復を目的としたリハビリを展開し、その後シニアの健康維持目的でリハビリテーションに通院されているわんちゃんのご紹介をします。
頑張るわんこのはミニチュアダックスフントの「ししまるちゃん」
ご了承頂きましたので、写真も載せちゃいます。
ししまるちゃんは、椎間板ヘルニアの術後しばらくの間、運動麻痺により歩くことが出来ませんでしたが、
今では日常生活にほぼ支障が無いレベルまで運動機能の回復が出来ました。
機能回復を目的としている時期は、お水の中で立ったり歩いたりする練習をする「水中トレッドミル」なども使用しましたが、
現在は「いつまでも元気に暮らす」事を目標にやっていますので、できるだけ日常生活に近い形の運動で頑張っています。
童顔で甘えん坊のししまるちゃんが、いつまでも元気に動くことができるよう、精一杯お手伝いをさせて頂きたいと思います。
おしるこ&力肉汁
こんにちは。
施設管理の中村です。
今日は寒かったので、スタッフのために炊き出しをして温まってもらいました。
メニューはおしること、甘いものが苦手な人のために、野菜とお肉たっぷり餅入り汁!!
お腹ぺこぺこスタッフたちは大喜び!!
大盛のおしるこペロリの上嶋先生
庄山先生、笑顔がこぼれています
もりもり食べて元気いっぱい
色々な首輪、胴輪
こんにちは。施設管理の中村です。
今回は私が持っている首輪や胴輪の一部を紹介します。
首輪や胴輪は、色々な種類があり、使う子のタイプや用途によって違います。
①首輪(平首輪)
よく見る普通の首輪です。
②チョークチェーン
しつけに使う事もあります。
リングが小さい物、大きい物があり、首が擦れてしまう子は大きい物がいいかもしれません。
③ハーフチョーク
名前の通り、引っ張ると半分だけ締まります。素材も色々です。
一番左は、「スパイク」と言って、内側に金具があるので引っ張ると食い込んで痛いです。
あまり普通の子にはお勧めしません。
一番右は、「ソフトハーフチョーク」と言って、スポンジクッション入りで柔らかいので、優しいです。
④イージーウォーク、ジェントルリーダー
引っ張りが強い子やしつけの為に使います。
⑤胴輪
ひものタイプ、服になっているタイプなど様々です。
その子その子にあった物を探してみて下さい。
私が持っている物はほんの一部ですが、少しでも参考になったら嬉しいです。
検査の基本
皆さま、明けましておめでとうございます。
獣医師の森田です。
本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
前回、私が担当した回では検査について書かさせていただきましたが、今回は一番大事だと考えている検査について書きたいと思います。
それは、『問診と身体検査』です。
あえて専門用語で書きましたが、問診とは医師が患者に病状を尋ねることです。もちろん動物は話せないので、獣医療の場合ご家族にペットの病状を聞くことを指します。
身体検査は言葉の通りで、獣医師が動物の体に直接触れて異常がないか検査をすることで、まさに五感を使って行います。
これらの検査は特別な検査機器を必要とせず、獣医師は日々当たり前のように行っていることです。
しかし、動物の状態を直接確認し、問題点と疑われる病気をリストアップし、診断に必要な検査を考えていく上では非常に重要です。
しかも、動物に対する負担は他の検査に比べると少なくて済みます。
上記の検査を行うにあたって、獣医師には病気の知識・追加検査の目的・治療方針などについて熟知していることはもちろん、ご家族から正確に聞き出す会話力・動物出来るだけ怖がらせずに触らせてもらう優しさなどが必要になり、個人的にはとても奥が深いと感じています。
ご家族の側にとっては、何をどれくらい話していいのかわからないことも多いかと思います。
また、うろ覚えな状況もあるかもしれません。
どうか、ペットの異常について気になるところがあれば遠慮なく話してください。
不確かな情報でも構いません。
私は獣医師として病気の知識を集積するとともに、ご家族とのお話から必要な情報を引き出して行けるよう努力していきたいと思います。
(獣医師:森田)
老化はなぜおきるのでしょう
こんにちは。獣医師の平林です。
先月、第1回シニア教室が開かれました。
予想以上の大勢の方々にご参加いただき、改めて『老化』とは大きなテーマであること感じました。
老化とは、時間の経過とともに進行する体の衰えを示します。衰えは見かけや体の調子の変化としてみられますが、その変化はもとに戻すことはできません。
教室では老化に伴ってみられてくる症状についてお話ししました。ここでは、老化とはなぜ起きるのか、ミクロの世界のお話をしたいと思います。
私たちの体は、さまざまな種類の細胞からなり、無数の細胞が集まってつくられています。
細胞は寿命がくると消えてしまうのですが、多くの細胞は分裂することで新しい細胞に入れ変わり、体が保たれていきます。
それぞれの細胞の寿命はさまざまで、どんどん分裂をして新しい細胞に入れかわるものと、一生を分裂せずに過ごす細胞があります。
例として、皮膚や血液の細胞は分裂がとても活発です。皮膚にケガをしても数日のうちに良くなるのは、すぐに新しい細胞で補うことができるからです。
一方、神経や筋肉の細胞は生まれてから死ぬまで分裂をしないで過ごします。神経や筋肉がケガをしたときには、傷ついていない細胞が、傷ついた細胞の分まで頑張ることで働きが保たれます。
このように、ヒトや動物の体は保たれているのですが、それでも衰えてきてしまうのです。
その理由はいくつかあるようです。
細胞が分裂し、新しく入変わることのできる回数には限りがあること、細胞にいらないものがたまったり、傷ついたりしてうまく働けなくなってきてしまうことが主な理由です。
細胞が衰えてくると、脳や筋肉、内臓などの働きが悪くなり、いわゆる『老化』としてみえてくるのです。
老化は、私たちが生きていく中でおきる変化の積み重ねであり、避けることのできないものです。
生き物の種類により老化の早さは違い、わんちゃん、ねこちゃんはヒトの5-7倍の早さで進んでいきます。
少しでも長く、元気に過ごしてほしいものですが、起きてくる変化を、長く生きてくれた証として受け入れてつきあっていくことが大切です。
適切な栄養・体重管理、ストレスの少ない生活環境づくり、適度な運動や遊びは体によく、老化を遅くするといわれています。
これらはご家族や私たちのしてあげられることです。
細胞を守り、元気に長生きしてもらいましょう!
分離不安ご存知ですか?
獣医師の福島です。
これからクリスマスやお正月といった楽しいイベントが目白押しの季節。
ワンちゃんやネコちゃんにとってはお留守番が多くなる季節かもしれません。
ペットホテルをご利用になる方もいらっしゃると思います。
そこで皆さま、分離不安という言葉、ご存知ですか?
文字通り、ご家族の方が不在時に限定して起こる不安行動や生理的症状を表す病気のことです。
病気と言われると少しショックかもしれませんが、近年多くなってきていると言われています。
私の愛ニャンコ:よく寝ています。寝てるところしかとれないのです。
(ぽーちゃん)
(かえでちゃん)
(そらちゃんとお母さんのくるみちゃん)
具体的な症状としては、
不安徴候:
過剰に声をあげたり遠吠え
物を壊したりする破壊行動
トイレ以外での排泄
生理的症状:
嘔吐・下痢といった胃腸症状
食欲不振
震え
舐性皮膚炎(手や足の先を舐める)
が挙げられます。この症状は、ご家族の外出後30分以内に現れます。
原因として以下の事が挙げられます。
・お留守番の練習が出来ていない
・ご家族のライフスタイルの変化(例えばご家族が増えたり、お仕事を始めたりすること)
・外出時や帰宅時に過剰に愛情表現をする
(いってくるかるね、良い子にしててね、と声掛けしながらぎゅっと抱きしめるなど)
・早期分離
(母親や兄弟から早く離されて育った動物は不安定な性質になると言われています)
・ご家族との過度な愛着関係
(どこに行くにも一緒の場合、例えばトイレに行くときにもついてきたりする場合は要注意です。また、いつも家にいて外の刺激やご家族以外の人や動物と社会的関わりを持たないことも病因になります)
(りゅう君は子猫が大好きでお世話をしていました。)
治療として、
行動学的治療:
・ご家族の動物に対する接し方を見直す
・お留守番に慣らせる
など行動修正をしていく
薬物療法:行動修正と同時に実施(お薬だけでは治りません)が挙げられます。
分離不安についてお話ししてきましたが思い当たることありませんか?
皆様の大切なワンちゃん、ネコちゃんはお留守番中どのような状態ですか?
ストレスなくゆっくりできてご家族の帰りを良い子で待っていてくれてますか?
かけがえのないご家族の一員のワンちゃん、ネコちゃんとお互いストレスなく楽しく幸せに暮らせるようアドバイス出来たらと思っています。
この病気はなかなか認知されずらいと思いますが気になることがあればご相談ください。
これからの季節を楽しみましょう。
(やっぱり寝ています。ナイスショット!)
屋上からの景色は・・・
トリマーの鈴木です。
冬の晴れた日、加えて空気の澄んだ日は、屋上から富士山が綺麗に見えます。
大分、下の方まで雪化粧をした富士山です。
朝、富士山に会えると、パワーをもらえます。
夕日に染まる富士山です。
富士山に加えて、綺麗な夕焼けも、秩父の山々も、埼玉動物医療センターの屋上からは見ることができます。
こちらは6月の夕焼け空です。
この日の夕焼け空は、全国的にすごい空になっていたと、あとから友人が教えてくれました。
とても幻想的でした。
この辺りの地域の6月の日没は、18:40〜19:00位だったと記憶しています。
富士山撮影時の12月4日の日没は、16:10〜16:30位でした。
19:00までが定時の私は…。
サボってはいません!
私の趣味は一眼レフカメラです。
(いつまでも初心者)
カメラを始めてから、今まで以上に綺麗な景色に関心を持ち、空を眺めることが本当に多くなりました。
当院のブログをご覧になってくださっている患者様、患者様ではないけれど、見てくださっている皆様、
心に余裕がない時、悲しい時、憂鬱な時、ネガティブな感情に押し潰されそうな時…
綺麗な景色を眺めたり、空を見上げてみませんか?
果てしなく続いている景色を見ると、心が落ち着いてきます。
自然の神秘を感じます。
たまには、頭をからっぽにして空を見上げ、深呼吸してみるのもなかなかいいものです。
やすらぎと潤いの緑
受付の井澤です。
12月に入り、早いもので今年も残すところあと3週間余りとなりました。
外の空気が冷たく、日没時間がだんだんと早くなってきましたね。
冬場気になるのが、湿度が下がることによっておこる空気の乾燥です。
室内では暖房器具の使用等によって、より乾燥を実感することが多いかもしれません。
当院の待合室には数種類の観葉植物が設置されています。
モンステラ
ポトス
ベンジャミン
ドラセナ
観葉植物には目で見て楽しむリラックス効果や空気をきれいにする作用があるほかに、水分を蒸散させて空気を潤す作用もあります。
今ならどこかにサンタさんが隠れている木があるかも…
ご来院の際はぜひ待合室の植物にも目を向けてみてください。
猫の散歩
看護師の斉藤です。
今回は猫ちゃんの散歩のお話です。
“犬じゃないんだから、猫に散歩なんて…”と思う方もいらっしゃるかもしれませんね。
実際私も猫は家の中でゴロゴロしていればいいと思っていました。
しかし最近、我が家の猫達のケンカが絶えず、一匹がいつもイライラしているようになってしまいました。
どうしたものかと思い、気分転換になればと散歩に行ってみることにしたのですが外の空気や音がいい刺激になってくれたようで少し落ち着いたように感じます。
元々その子は、ドアが少しでも開いていれば飛び出して行ってしまうような子だったので、勝手にどこかに出掛けていってしまうより、時間や範囲を決めて目の届く安全な所で外の世界とのふれあいを楽しんでくれたらと思います。
散歩の利点はなんと言ってもストレス解消だと思います。
景色や匂いなど外にはたくさんの刺激があります。
しかし猫ちゃんの性格によっては散歩が好きでない子もいます。知らない場所でも物怖じしない子が散歩向きだと思います。
外に出るときは準備が必要です。
ハーネス、リードはもちろん、迷子札やノミ・ダニなど寄生虫の予防も大事です。
安全に気を付けて愛猫とのお散歩を楽しんでみてはいかがでしょうか?
シニア犬セミナーやりました!
こんにちは、動物看護師の久松です。
11月15日に当院で初めてとなる飼い主様向けのセミナーを開催しました。
当日はとてもたくさんの方にご参加いただき、ありがとうございました。
今回のセミナーは「気づいていますか?老化のサイン」をテーマに、老化に早く気づいてサポートしていくために、ワンちゃんが出すサインにはどのようなものがあるかをご紹介しました。
また一見、老化のサインにも似ているけれど、実は病気の可能性のあるサインについても一緒に勉強しました。
今回はシニア犬に関する概要をお伝えしましたが、次回からはそれぞれ「食事」「介護」「アンチエイジング」などの内容に分けて詳しくお話しできればと思っています。
今後、当院では飼い主様向けのセミナーをシニア犬だけでなく、いろいろな内容で開催する予定です。
詳細が決まりましたらホームページにも掲載しますのでご覧になってください。
猫の尿路結石症
こんにちは。
獣医師の勝山です。
最近は寒くなってきたせいか、私が飼っている犬や猫たちが身を寄せ合って寝ていることが多くなりました。
毎年、この時期多くなる病気は、猫の尿路結石症です。
※うちのコたちです。左からまるさん(15歳)、くろさん(15歳)、音茶太(5歳)。
尿路結石症とは、腎臓・尿管・膀胱・尿道の中に結石や結晶ができる病気です。
どんな症状が出るかというと、
- トイレに頻繁に行くのに尿が少ししか出ない・もしくは尿が全く出ない
- トイレでじっとしている
- 尿をするとき痛がってなく
- 血尿が出る
- トイレ以外のところで尿をする
などなどです。
中でも、特に要注意なのは、尿が全く出ない時です。尿道に結石や結晶が詰まってしまって出なくなっていることが多いのですが、これを放置していると、腎臓に負担がかかり、食欲がなくなったり嘔吐がみられたり、命に関わる状態になってしまいます。
この病気は性別に関係なくかかりますが、オスは尿道が細長く、ペニスの辺りでさらに細くなっているので結石が詰まってしまうことが多いです。
さて、なぜこの時期に多くなるのか、というと、冬場は寒いため、あまり水分をとらなくなるからです。水分の取る量が減ると、濃い尿が長い時間膀胱に溜まることになるので、結石ができやすい状態になります。というわけで、まずこの病気の予防としてできることは、常に水を飲みやすくしてあげることです。
例えば、
- よく猫が通る場所に数ヶ所水を置いてあげる
- 水分の多い缶詰などをあげてみる
- 水の器をかえてみる
- 常に新鮮な水を用意する
などです。
水の容器に関しては、一番猫が好む器は陶器だそうです。また、蛇口から出る水を好む猫には、循環式のサーバーがいいかもしれません(私も以前使っていましたが、お掃除がこまめに必要なので挫折しました。まめな方にはオススメです)。
その他は、トイレを常に清潔に保つことも重要です。猫はきれい好きなので、汚いトイレだと尿を我慢したりします。また、肥満も原因の一つといわれているので、体重管理も気をつけたほうがいいです。
みなさんの猫ちゃんはいかがですか?もし心配な点がありましたら、まず尿検査をするといいと思いますのでお気軽にご相談ください。
トリミング(シーズー犬)
今回は、シーズー犬のパムちゃんを紹介します。
シャンプー中のパムちゃんです。
パムちゃんはまだ仔犬さんですが、シャンプーになれてきたようです。
パムちゃんはふわふわカットなので、足先もふわふわにカットします。
今回はハロウィンのリボンですが、季節によって違うので、是非チェックしてみて下さい。
猫の通院ストレスを減らすためにできること
猫の通院ストレスを減らすためにできること
動物看護師の斉藤です。
猫のご家族のみなさんにとって、猫を病院に連れていくのは大変と思っていらっしゃるかたが多いのではないでしょうか?
猫は犬のように散歩をしたり外出したりする機会が少なく、家を離れることに大きなストレスを感じてしまいます。また、そんな猫の様子を見てご家族のかたもストレスを感じていらっしゃるかもしれません。
少しでもそんな猫の、またご家族のストレスが減るようにできることについて今回はお話ししたいと思います。
病院に猫を連れていくときに必要なものといえばキャリーケースです。
お店には様々な素材や形のものが売られていてどれがいいのか迷ってしまいますね。
でも、通院時にお勧めするのはこちらのタイプです。
このキャリーケースのいい点はまず、プラスチックでできた安定した素材であるという点です。
プラスチックなので汚れても丸洗い出来て清潔に使えますし、ある程度の固さがあるので猫が安定して入っていられます。
また、前面の扉とケースの上部を取り外すことができるのもいい点です。
これで猫を診察時に無理やり引っ張り出さずにすみますし、上からタオルなどをかけてそのまま診察することもできます。
キャリーケースをいつもはしまっていて通院の時だけだしてくるという方もいらっしゃると思いますが、それでは猫が“キャリーケース=病院”という嫌なものとして認識してしまいます。
できれば普段から猫が過ごす場所に置いておき、そのなかでご飯をあげたり遊んだり寝たりできるようにしておくと、良い記憶と結びついてキャリーケースが猫にとって落ち着ける場所になります。
最後に、“におい”というのは猫にとって安心するための大切な要素です。
いつも家で使っているタオルやブランケットをキャリーケースにいれてあげてください。
慣れた匂いがあることで安心することが出来ます。
今回の内容をまとめたリーフレットが当院の猫待合室に置いてありますので、ぜひご覧になってください。
猫とご家族のみなさんが少しでもストレスなく通院できますように。
スタッフもお勉強しています
こんにちは。
リハビリテーション科担当の藤澤です。
当院では獣医師をはじめ全スタッフが知識を深めたり、再確認したり、新しい情報を共有するために頻繁に院内セミナーを行っています。
獣医師向けセミナー、動物看護師向けセミナー、受付対象セミナー、専門診療の内容のセミナー・・・色々やっています。
講師は当院スタッフだったり、外部講師にお願いをして・・・だったりと色々です。
そして先日は、隔月開催の動物看護師を対象にしたセミナーが業務終了後に行われました。
動物看護師をはじめ、受付、トリマー、獣医師のほどんどが、遅い時間にも関わらず参加して勉強しています。
そして頑張るスタッフのために院長から夕食のお弁当の差し入れがありました。
みんなそれを頬張りながら、熱心に勉強しています。
そして来月はご家族向けに「犬の老化」をテーマにしたセミナーを開催致します。(詳細はこちら)
ご興味のある方はどなたでも大歓迎です。
シニア犬のご家族、シニア犬予備軍のご家族、そしてこれから犬と暮らす予定の方…どなたでもご参加いただけます。
多数のご参加をお待ちしております!
犬の整形外科疾患(前十字靭帯断裂)
獣医師の福田です
一瞬のうちに夏が去り、少し肌寒くなってきました。
寒さが苦手な私にとってはちょっと朝夕が辛いのですが、動物たちにとってはとても過ごしやすく、またお散歩が楽しい時期ではないでしょうか。
そんな時期、お散歩の時間が増えてかどうか、当院の整形外科には跛行のある患者さんがよくご来院されます。
特に最近多いのは膝の前十字靭帯に問題を持った犬です。
前十字靭帯断裂は犬の整形外科疾患で最も多い疾患と言っても過言ではありません。
それゆえ、世界中で開発された手術方法は50種類以上あるとも言われています。
なぜそんなに沢山の方法があるのか。それは未だにその原因が分かっていないからです。
人の前十字靭帯断裂は大抵がアスリートなどが外傷により起こします。
しかし犬の場合は、明らかな外傷がなくても突然切れてしまうことがあるのです。
それゆえ、犬の前十字靭帯断裂は疾患と言われています。
考えららている原因は肥満、ホルモン、免疫介在性関節炎、骨の形態的異常など様々ですが、それらが靭帯を徐々に変性させることで靭帯が弱くなるため断裂を起こす言われています。
つまり、犬の前十字靭帯断裂は徐々に起こっていて、最終的に完全に切れてしまうのです。
では、前十字靭帯が徐々に切れているとき、完全には切れていない時は犬はどのような症状を出すのでしょうか?
これはとてもはっきりしない症状が多く、軽い跛行ですぐに治ったり、お座りがきれいにできないだけということもあります。
このような症状は数年にかけてたまに発生し、完全に切れた時には足を挙げることになります。
前十字靭帯断裂の治療には手術が必要なのですが、特に早期に、完全に断裂していない時に手術を行うと関節炎の進行を大幅に食い止めることができるという報告もあります。
ですから、お散歩の時に少し注意をして歩き方や仕草を観察してみてください。
軽い跛行が起こったり、おすわりがうまくできないのはもしかしたら前十字靭帯に問題があるかもしれません。
わんちゃん・ねこちゃんの体重について
こんにちは。看護師の森下です。
最近は涼しくなり、すっかり秋ですね。そして食欲の秋、うっかり食べ過ぎてしまいます。私は体重の変化が気になる季節でもあります。
そんな今回はわんちゃん・ねこちゃんの体重についてお話します。
動物たちの健康管理の中で、体重測定はとても大切な項目です。日頃よく抱っこする小型犬などは変化に気づくこともあるかと思いますが、中型~大型犬はなかなか気づきにくいこともあると思います。ねこちゃんも日頃抱っこする子でないと気づきにくいかもしれません。
動物たちにとっての数百グラムの差は、人で言うと数キロの差になります。お家で体重を測るのはなかなか難しいかもしれないですが、体をよく触ってみると変化に気づくこともありますので、日頃からよく触ってあげましょう。
『あれ?やせたかな?』『太ったかな?』という変化を感じたら、いつでも体重を測りにご来院ください。
体重の変化には病気がかくれていることもありますので、定期的に体重をチェックしてあげてください。
少しでも不安なことがあればいつでもお問い合わせください。
この子は私の愛犬のロットワイラーです。
ダイエットを頑張っています!
今後、当院はダイエットの相談も受け付けますので、お気軽にご相談ください。
りゅう君がんばってます(犬のリハビリテーション)
こんにちは。
リハビリテーション科の藤澤です。
いつの間にか10月・・・ヒトもわんちゃんも過ごしやすい季節になりましたね。
少し前の院長のブログで、当院の黒ラブりゅう君が前肢を断脚したとご報告させて頂きました。
術後すぐから、回復段階にあわせたりゅう君のリハビリがはじまりましたが、最近は傷口もおちついて、入院室から元の場所にもどって生活をしています。
りゅう君は病気が見つかった時に前肢が痛くて使えない状況ではなかったため、しっかり4本肢で日常生活を送っていました。
ですから、手術直後のりゅう君にとっては、「目が覚めたら前肢が無い!3本足でどうやって立ったらいいの?どうやって歩いたらいいの?」という状況でした。
犬は3本肢でも立てるし歩くことが出来ますが、あまりに突然のことでりゅう君は身体の使い方がわからなかったのです。
そこで手術直後のリハビリテーションの目的は、「身体の使い方を覚えること」「術後の安静による悪影響を少なくすること」でした。
術後の安静による悪影響というのは、運動制限をされることによって関節が動きにくくなったり、筋力低下したり、全身の体力が落ちたりすることです。
手術をする前から病気の肢を挙げたりして使っていない状況ですと、断脚後に身体の使い方に戸惑うことは少ないかもしれませんが、ばっちり使っていた前肢がいきなり無いわけですから、りゅう君は何度もバランスを崩して転びそうになりながらも立ち上がる練習をしました。
残った3本の肢それぞれにかかる体重も今までより増えますし、歩き方が変わる事で身体のあちこちに負担がかかったり、長い時間立っていられなかったり…とはじめは色々大変でした。
でも毎日少しずつ、地道にやるしかありません。
「がんばれ!りゅうくん」 「がんばれがんばれ」
りゅう君が少しでも早く元気に元通りの生活ができるように、スタッフみんなでりゅう君を応援して、見守りました。
また、院長のブログを読んでくださった方々からも、「りゅうくん、がんばれ」とたくさん応援いただきました。
本当にありがとうございました。皆様の温かい応援のおかげで、りゅう君はかなり元気になってきています!
リハビリプログラムもどんどん進んでいます。
マッサージしたり、運動したりしています。
ただ、やはり肢が一本なくなると、姿勢が変わります。
比較してみましょう。
私の愛犬 ろっちゃん。(ときどき供血犬)
どうでしょう。
前肢をつく位置が変わりますから、姿勢が変わっています。
なので、今までとは違う体重のささえかたをしますから、肩や手首が痛くなったり変形するリスクが高まります。
リハビリテーションでは、こういう影響もなるべく少なくしていけるようにしていきます。
そして、りゅう君がずっとずっと、楽しく、元気に、犬らしく生活できるようにサポートしていきたいと思います。
埼玉動物医療センターの、ちょっと便利な設備
こんにちは。
受付の高橋です。
新しい病院に引っ越して、早いものでもう半年が経ちます。
この間、何人かの飼い主様より会計時に「これいいわね。」「これ便利だね。」と言われたものがあります。
何だと思いますか?
答えはこれです。↓
ワンちゃんのリード係留フックですが、診察が終わると出口にまっしぐらなワンちゃんも多い中、会計時に両手が使えてとても便利とのことです。
このドッグパーキングは、受付カウンター以外に、待合室のトイレ、診察室、外の水道の横や柱にも取り付けられています。
既にお気付きの方、ご利用の方も多いと思いますが、是非ご利用ください。
世界獣医麻酔会議に参加してきました
こんにちは、副院長の石川です。
9月の第1週は休みをとって京都で開催された世界獣医麻酔会議(WCVA;world congress of veterinary anaesthesiology)という学会に参加してきました。
この学会は3年に1回、世界のいろいろなところで開催され、各国の麻酔を専門とする獣医師が集まります。
今年はなんと日本での開催という当たり年で、私は麻酔を専門としているわけではありませんが、この機会を逃すまいと思い参加してきました。
せっかくですので麻酔というがどういうものかを少し説明しようかと思います。
麻酔は手術などの治療を行っていく上で非常に重要なもので、患者となる動物さんを①動かなくすること(不動化)、②眠らせること(鎮静)、③痛くしないこと(鎮痛)、を安全に行うことが目的です。
麻酔が必要になるのは主に手術を行うときです。
動物が動いてしまうと安全に手術ができないので、①の動かなくする(不動化)というのが必要になります。
でも動けない動物がそのまま手術を受けると、とても怖い記憶が残ってしまいますよね。
そのため、眠っている間に嫌なことは済ませてあげたいので、②の眠らせる(鎮静)ということも大事になります。
せっかく眠っても痛みがあれば起きてしまいますし、起きたとき強い痛みが残っているのではかわいそうです。
手術は少なからず痛みを伴う治療ですので、この痛みを最小限にするため、③の痛くしないこと(鎮痛)というのもとても重要なのです。
動物が安全に眠っている間に、痛みを感じさせずに手術を終えるのが理想的な治療です。そのために、麻酔の技術は日々研究され、進歩しているわけです。
さて、今回の学会の話に戻ります。
4日間の日程で行われたのですが、世界的な集まりなので当然ながらすべてが英語でした。
自分は英語を苦手としており、難しい内容を英語で聴かなければいけないということで、非常に集中力を消耗しました。
それでも、なかなか参加する機会のない学会に参加でき、良い刺激になりました。
欲をいえば、天気が良くて京都観光も合わせて楽しめたらよかったのですが、あいにくの雨続きであまり叶いませんでした。まあ、それはまた別の機会にとっておくことにします。
りゅう君が、がんになりました。(犬のがん)
腫瘍科を担当しています林宝です。
私は、主にがんの動物の診療をさせていただいています。がん患者様の診療で特に気をつけている事は、
1.正確な診断、がんの進行度の判定
2.適切な治療方法の選択肢の提案
3.ご家族や動物の様々な状況に寄り添った治療の提案
4.各治療の利点、欠点、リスクをできるだけわかりやすくお伝えする
5.将来の予測をできるだけ正確にご家族にお伝えする
この5つを常に念頭におきながら動物とそのご家族に何がベストなのかを考えながら診療にあたっています。
そんな中、長い間献血で大活躍してくれた当施設の看板犬の1頭であるりゅう君の前肢に軟部組織肉腫というがんが見つかりました。
発生した部位が肘である事や、組織検査の結果で悪性度が高い可能性が予測された事などから治療の選択は非常に難しい判断となりました。
前述の5つのポイントを自分に問いかけながら手術、抗がん治療、放射線治療など様々な治療方法を担当スタッフと検討しました。
その結果、我々は、りゅう君の左前肢を断脚する事に決めました。
苦渋の決断でした。
がん治療において断脚を行う目的は大きく分けて2つ存在します。
1つは、完治や長期延命を目的としたもの、もう一つはがんの完治は期待できなくてもがんによる痛みを取り除く目的で行うケースです。
いずれのケースでも断脚の必要性を告知されたご家族のショックは多大なものだと思います。
私が、断脚を提示した際に、殆どのご家族は1回断脚を拒否します。
その理由は殆どの人が断脚手術後に動物が歩けなくなってしまうと思っているからです。
我々人間と違い、4本の足を持つ動物は3本足でも想像以上に上手に歩き、走ることができます。
また、外観上の変化を悲観してしまうこともありません。
既に痛みを伴っている動物では痛い足を引きずりながら生活するより生活の質もかえって向上します。
もちろん残った3本足に関節炎などの他の病気が存在する場合や極度の肥満動物に対しては断脚手術を慎重に検討する必要があります。
獣医師は術前に詳細に動物の評価を行い、動物の断脚後の生活をできるだけ正確に予測し、ご家族にそれを伝える事が重要だと思います。
また、断脚を回避できる他の治療方法についても詳細に検討する必要もあります。
手術の危険性についても誤解が多いように思います。
断脚手術は決して簡単な手術ではありません。
もちろん術前に動物の体力を詳細に把握しておく事は必須です。
しかし、十分なトレーニングと経験を積んだ獣医師が執刀すればハイリスクの手術では決してありません。
これらの誤解は、動物のご家族のみならず、我々獣医師や動物看護師にも存在しているように思います。
りゅう君のがんは、前肢を温存しての手術や術後の抗がん治療あるいは放射線治療を併用する方法も考えられました。
しかし、彼の年齢やシャイな性格も考慮して今回の治療法に決めました。
りゅう君は今回の手術で完治が十分に見込めます。
当施設には、幸いリハビリテーションの専門スタッフがおります。
人同様に動物でもリハビリテーションは、非常に重要です。
手術直後から徐々にリハビリテーションを開始しています。
手術直後は少し戸惑っていましたが、今は日々元気なりゅう君に戻ってきています。
りゅう君は、これまで献血で数え切れないほどの動物の命を救ってくれました。
私のかけがえのない相棒の一人です。
1日でも元気で長生きしてもらいたいと願っています。
皆さん応援よろしくお願いします!