スタッフブログ
スタッフもお勉強しています
こんにちは。
リハビリテーション科担当の藤澤です。
当院では獣医師をはじめ全スタッフが知識を深めたり、再確認したり、新しい情報を共有するために頻繁に院内セミナーを行っています。
獣医師向けセミナー、動物看護師向けセミナー、受付対象セミナー、専門診療の内容のセミナー・・・色々やっています。
講師は当院スタッフだったり、外部講師にお願いをして・・・だったりと色々です。
そして先日は、隔月開催の動物看護師を対象にしたセミナーが業務終了後に行われました。
動物看護師をはじめ、受付、トリマー、獣医師のほどんどが、遅い時間にも関わらず参加して勉強しています。
そして頑張るスタッフのために院長から夕食のお弁当の差し入れがありました。
みんなそれを頬張りながら、熱心に勉強しています。
そして来月はご家族向けに「犬の老化」をテーマにしたセミナーを開催致します。(詳細はこちら)
ご興味のある方はどなたでも大歓迎です。
シニア犬のご家族、シニア犬予備軍のご家族、そしてこれから犬と暮らす予定の方…どなたでもご参加いただけます。
多数のご参加をお待ちしております!
犬の整形外科疾患(前十字靭帯断裂)
獣医師の福田です
一瞬のうちに夏が去り、少し肌寒くなってきました。
寒さが苦手な私にとってはちょっと朝夕が辛いのですが、動物たちにとってはとても過ごしやすく、またお散歩が楽しい時期ではないでしょうか。
そんな時期、お散歩の時間が増えてかどうか、当院の整形外科には跛行のある患者さんがよくご来院されます。
特に最近多いのは膝の前十字靭帯に問題を持った犬です。
前十字靭帯断裂は犬の整形外科疾患で最も多い疾患と言っても過言ではありません。
それゆえ、世界中で開発された手術方法は50種類以上あるとも言われています。
なぜそんなに沢山の方法があるのか。それは未だにその原因が分かっていないからです。
人の前十字靭帯断裂は大抵がアスリートなどが外傷により起こします。
しかし犬の場合は、明らかな外傷がなくても突然切れてしまうことがあるのです。
それゆえ、犬の前十字靭帯断裂は疾患と言われています。
考えららている原因は肥満、ホルモン、免疫介在性関節炎、骨の形態的異常など様々ですが、それらが靭帯を徐々に変性させることで靭帯が弱くなるため断裂を起こす言われています。
つまり、犬の前十字靭帯断裂は徐々に起こっていて、最終的に完全に切れてしまうのです。
では、前十字靭帯が徐々に切れているとき、完全には切れていない時は犬はどのような症状を出すのでしょうか?
これはとてもはっきりしない症状が多く、軽い跛行ですぐに治ったり、お座りがきれいにできないだけということもあります。
このような症状は数年にかけてたまに発生し、完全に切れた時には足を挙げることになります。
前十字靭帯断裂の治療には手術が必要なのですが、特に早期に、完全に断裂していない時に手術を行うと関節炎の進行を大幅に食い止めることができるという報告もあります。
ですから、お散歩の時に少し注意をして歩き方や仕草を観察してみてください。
軽い跛行が起こったり、おすわりがうまくできないのはもしかしたら前十字靭帯に問題があるかもしれません。
わんちゃん・ねこちゃんの体重について
こんにちは。看護師の森下です。
最近は涼しくなり、すっかり秋ですね。そして食欲の秋、うっかり食べ過ぎてしまいます。私は体重の変化が気になる季節でもあります。
そんな今回はわんちゃん・ねこちゃんの体重についてお話します。
動物たちの健康管理の中で、体重測定はとても大切な項目です。日頃よく抱っこする小型犬などは変化に気づくこともあるかと思いますが、中型~大型犬はなかなか気づきにくいこともあると思います。ねこちゃんも日頃抱っこする子でないと気づきにくいかもしれません。
動物たちにとっての数百グラムの差は、人で言うと数キロの差になります。お家で体重を測るのはなかなか難しいかもしれないですが、体をよく触ってみると変化に気づくこともありますので、日頃からよく触ってあげましょう。
『あれ?やせたかな?』『太ったかな?』という変化を感じたら、いつでも体重を測りにご来院ください。
体重の変化には病気がかくれていることもありますので、定期的に体重をチェックしてあげてください。
少しでも不安なことがあればいつでもお問い合わせください。
この子は私の愛犬のロットワイラーです。
ダイエットを頑張っています!
今後、当院はダイエットの相談も受け付けますので、お気軽にご相談ください。
りゅう君がんばってます(犬のリハビリテーション)
こんにちは。
リハビリテーション科の藤澤です。
いつの間にか10月・・・ヒトもわんちゃんも過ごしやすい季節になりましたね。
少し前の院長のブログで、当院の黒ラブりゅう君が前肢を断脚したとご報告させて頂きました。
術後すぐから、回復段階にあわせたりゅう君のリハビリがはじまりましたが、最近は傷口もおちついて、入院室から元の場所にもどって生活をしています。
りゅう君は病気が見つかった時に前肢が痛くて使えない状況ではなかったため、しっかり4本肢で日常生活を送っていました。
ですから、手術直後のりゅう君にとっては、「目が覚めたら前肢が無い!3本足でどうやって立ったらいいの?どうやって歩いたらいいの?」という状況でした。
犬は3本肢でも立てるし歩くことが出来ますが、あまりに突然のことでりゅう君は身体の使い方がわからなかったのです。
そこで手術直後のリハビリテーションの目的は、「身体の使い方を覚えること」「術後の安静による悪影響を少なくすること」でした。
術後の安静による悪影響というのは、運動制限をされることによって関節が動きにくくなったり、筋力低下したり、全身の体力が落ちたりすることです。
手術をする前から病気の肢を挙げたりして使っていない状況ですと、断脚後に身体の使い方に戸惑うことは少ないかもしれませんが、ばっちり使っていた前肢がいきなり無いわけですから、りゅう君は何度もバランスを崩して転びそうになりながらも立ち上がる練習をしました。
残った3本の肢それぞれにかかる体重も今までより増えますし、歩き方が変わる事で身体のあちこちに負担がかかったり、長い時間立っていられなかったり…とはじめは色々大変でした。
でも毎日少しずつ、地道にやるしかありません。
「がんばれ!りゅうくん」 「がんばれがんばれ」
りゅう君が少しでも早く元気に元通りの生活ができるように、スタッフみんなでりゅう君を応援して、見守りました。
また、院長のブログを読んでくださった方々からも、「りゅうくん、がんばれ」とたくさん応援いただきました。
本当にありがとうございました。皆様の温かい応援のおかげで、りゅう君はかなり元気になってきています!
リハビリプログラムもどんどん進んでいます。
マッサージしたり、運動したりしています。
ただ、やはり肢が一本なくなると、姿勢が変わります。
比較してみましょう。
私の愛犬 ろっちゃん。(ときどき供血犬)
どうでしょう。
前肢をつく位置が変わりますから、姿勢が変わっています。
なので、今までとは違う体重のささえかたをしますから、肩や手首が痛くなったり変形するリスクが高まります。
リハビリテーションでは、こういう影響もなるべく少なくしていけるようにしていきます。
そして、りゅう君がずっとずっと、楽しく、元気に、犬らしく生活できるようにサポートしていきたいと思います。
埼玉動物医療センターの、ちょっと便利な設備
こんにちは。
受付の高橋です。
新しい病院に引っ越して、早いものでもう半年が経ちます。
この間、何人かの飼い主様より会計時に「これいいわね。」「これ便利だね。」と言われたものがあります。
何だと思いますか?
答えはこれです。↓
ワンちゃんのリード係留フックですが、診察が終わると出口にまっしぐらなワンちゃんも多い中、会計時に両手が使えてとても便利とのことです。
このドッグパーキングは、受付カウンター以外に、待合室のトイレ、診察室、外の水道の横や柱にも取り付けられています。
既にお気付きの方、ご利用の方も多いと思いますが、是非ご利用ください。
世界獣医麻酔会議に参加してきました
こんにちは、副院長の石川です。
9月の第1週は休みをとって京都で開催された世界獣医麻酔会議(WCVA;world congress of veterinary anaesthesiology)という学会に参加してきました。
この学会は3年に1回、世界のいろいろなところで開催され、各国の麻酔を専門とする獣医師が集まります。
今年はなんと日本での開催という当たり年で、私は麻酔を専門としているわけではありませんが、この機会を逃すまいと思い参加してきました。
せっかくですので麻酔というがどういうものかを少し説明しようかと思います。
麻酔は手術などの治療を行っていく上で非常に重要なもので、患者となる動物さんを①動かなくすること(不動化)、②眠らせること(鎮静)、③痛くしないこと(鎮痛)、を安全に行うことが目的です。
麻酔が必要になるのは主に手術を行うときです。
動物が動いてしまうと安全に手術ができないので、①の動かなくする(不動化)というのが必要になります。
でも動けない動物がそのまま手術を受けると、とても怖い記憶が残ってしまいますよね。
そのため、眠っている間に嫌なことは済ませてあげたいので、②の眠らせる(鎮静)ということも大事になります。
せっかく眠っても痛みがあれば起きてしまいますし、起きたとき強い痛みが残っているのではかわいそうです。
手術は少なからず痛みを伴う治療ですので、この痛みを最小限にするため、③の痛くしないこと(鎮痛)というのもとても重要なのです。
動物が安全に眠っている間に、痛みを感じさせずに手術を終えるのが理想的な治療です。そのために、麻酔の技術は日々研究され、進歩しているわけです。
さて、今回の学会の話に戻ります。
4日間の日程で行われたのですが、世界的な集まりなので当然ながらすべてが英語でした。
自分は英語を苦手としており、難しい内容を英語で聴かなければいけないということで、非常に集中力を消耗しました。
それでも、なかなか参加する機会のない学会に参加でき、良い刺激になりました。
欲をいえば、天気が良くて京都観光も合わせて楽しめたらよかったのですが、あいにくの雨続きであまり叶いませんでした。まあ、それはまた別の機会にとっておくことにします。
りゅう君が、がんになりました。(犬のがん)
腫瘍科を担当しています林宝です。
私は、主にがんの動物の診療をさせていただいています。がん患者様の診療で特に気をつけている事は、
1.正確な診断、がんの進行度の判定
2.適切な治療方法の選択肢の提案
3.ご家族や動物の様々な状況に寄り添った治療の提案
4.各治療の利点、欠点、リスクをできるだけわかりやすくお伝えする
5.将来の予測をできるだけ正確にご家族にお伝えする
この5つを常に念頭におきながら動物とそのご家族に何がベストなのかを考えながら診療にあたっています。
そんな中、長い間献血で大活躍してくれた当施設の看板犬の1頭であるりゅう君の前肢に軟部組織肉腫というがんが見つかりました。
発生した部位が肘である事や、組織検査の結果で悪性度が高い可能性が予測された事などから治療の選択は非常に難しい判断となりました。
前述の5つのポイントを自分に問いかけながら手術、抗がん治療、放射線治療など様々な治療方法を担当スタッフと検討しました。
その結果、我々は、りゅう君の左前肢を断脚する事に決めました。
苦渋の決断でした。
がん治療において断脚を行う目的は大きく分けて2つ存在します。
1つは、完治や長期延命を目的としたもの、もう一つはがんの完治は期待できなくてもがんによる痛みを取り除く目的で行うケースです。
いずれのケースでも断脚の必要性を告知されたご家族のショックは多大なものだと思います。
私が、断脚を提示した際に、殆どのご家族は1回断脚を拒否します。
その理由は殆どの人が断脚手術後に動物が歩けなくなってしまうと思っているからです。
我々人間と違い、4本の足を持つ動物は3本足でも想像以上に上手に歩き、走ることができます。
また、外観上の変化を悲観してしまうこともありません。
既に痛みを伴っている動物では痛い足を引きずりながら生活するより生活の質もかえって向上します。
もちろん残った3本足に関節炎などの他の病気が存在する場合や極度の肥満動物に対しては断脚手術を慎重に検討する必要があります。
獣医師は術前に詳細に動物の評価を行い、動物の断脚後の生活をできるだけ正確に予測し、ご家族にそれを伝える事が重要だと思います。
また、断脚を回避できる他の治療方法についても詳細に検討する必要もあります。
手術の危険性についても誤解が多いように思います。
断脚手術は決して簡単な手術ではありません。
もちろん術前に動物の体力を詳細に把握しておく事は必須です。
しかし、十分なトレーニングと経験を積んだ獣医師が執刀すればハイリスクの手術では決してありません。
これらの誤解は、動物のご家族のみならず、我々獣医師や動物看護師にも存在しているように思います。
りゅう君のがんは、前肢を温存しての手術や術後の抗がん治療あるいは放射線治療を併用する方法も考えられました。
しかし、彼の年齢やシャイな性格も考慮して今回の治療法に決めました。
りゅう君は今回の手術で完治が十分に見込めます。
当施設には、幸いリハビリテーションの専門スタッフがおります。
人同様に動物でもリハビリテーションは、非常に重要です。
手術直後から徐々にリハビリテーションを開始しています。
手術直後は少し戸惑っていましたが、今は日々元気なりゅう君に戻ってきています。
りゅう君は、これまで献血で数え切れないほどの動物の命を救ってくれました。
私のかけがえのない相棒の一人です。
1日でも元気で長生きしてもらいたいと願っています。
皆さん応援よろしくお願いします!
とても大事な「社会化期」
こんにちは。看護師の渡部です。
私事ですが、先月から猫を飼い始めました。
まだ3ヶ月の子猫です。茶トラの男の子で名前は「こたつ」です。
遊ぶことが大好きで気の強いやんちゃな子です。
そんなこたつは頑張っていることがあります。
それは爪切りや歯磨き、体を触られることに慣れる練習です。
まだまだ練習中ですので、写真は寝ている隙に撮りました(笑)
病院に来るワンちゃんや猫ちゃんで体に触られることに慣れていない子はたくさんいます。
爪切りをものすごく嫌がったり、耳掃除のときに大暴れしたり・・・
そうならない為にも、小さいころから触られることに慣れさせるのはとても大事です。
ワンちゃんや猫ちゃんにとってもストレスの軽減になります。
皆さんも一度は聞いたことがあると思いますが、幼少の「社会化期」というのはとても大事な時期です。
大人になってからでは慣れさせるのにとても時間がかかります。
ぜひ小さいころから体を触られる事に慣れさせたり、いろんな人や物と触れ合わせあげてください。
何か困ったことや分からないことがあれば当院のスタッフも協力いたします。
ダックスフンドの種類
こんにちは
動物看護師の富沢です。
今回は人気犬種であるダックスフンドについてお話ししたいと思います。
ダックスフンドには、大きさが3種類、毛の種類も3種類あります。
まず大きさですが、大きい順に
スタンダードダックスフンド
ミニチュアダックスフンド
カニーンヘンダックスフンド
に分かれます。
よく見かける子はミニチュアダックスフンドが多いかと思います。
次に毛の種類ですが、
ロングヘアード (毛が長い)
スムームヘアード (毛が短い)
ワイアーヘアード (毛が硬い)
に分かれます。
ロング、スムースはよく見かけるのではないでしょうか。
これは私の飼っているワイアーで、あるドラマが流行った時にはミニチュアシュナウザーと間違われることも良くありました。
人気犬種のダックスフンド、以前のブログでも紹介されましたが椎間板ヘルニアになりやすい犬種です。
体重管理や高いところへの上り下りに気をつけてあげてください。
少しでもおかしいかな?と思ったらすぐに病院へお越しください。
〜もしもの時のために〜
こんにちは。動物看護師の久松です。
学生の方はもう夏休みですね!花火大会などもう行かれましたか?
楽しい夏のイベントですが、花火の音や雷の音など気にした事はありますか?
動物たちは人間よりも聴力が良いため、突然の大きな音にビックリしてしまい思いがけず逃げ出してしまう事もあるかもしれません。
パニックになってそのままお家に帰れないなんて事もあるかもしれませんね。
そんなもしもの時のために準備をしておく事が大切です!
かんたんな事からはじめてみましょう!
首輪に鑑札をつけ名前や住所、電話番号などわかるようにしておく。
大きな音のする日は窓を開けない。誰かがそばにいるようにする。
首輪が外れてしまった時のためにマイクチップの装着だけでお家に帰れる確率は高くなります。
大好きな家族のもとにいち早く帰れるようにしてあげましょう。
つい最近ですが、私も8月の初めに帰宅途中に迷い犬を見つけました。
夜道をリードも付けずふらふら歩いていたため保護した子がいます。
大型犬:mix
性別:男の子、未去勢
毛色:主に黒 足先、顔は茶色
首輪などはついていなかったため、外で飼われていて首輪を外して逃げてしまったのではないかと考えられます。
とてもキレイでお利口さんなのできっと飼われていたと思います。
お心当たりのある方はお手数ですが当院スタッフまでご連絡お願いします。
気を付けましょう!ノミやダニ
こんにちは、動物看護師の後藤です。
最近暑い日が続きますね。
この暑さで体調を崩された方も少なからずいらっしゃるのではないでしょうか?
十分に気をつけていただければと思います。
今回はもう一つ暖かい時期に気をつけていただきたいことについてお話ししたいと思います。
それはズバリ「虫」です。
虫といっても、アリやカブトムシといった類のものではなく、ノミやダニといった身体に付着する寄生虫です。これらは外部寄生虫とよばれています。
ノミやダニは通年活動していますが、気温が高くなると活動性、繁殖性が増します。そのため春から夏にかけて特に注意していただきたいです。
ノミやダニは動物の血液を吸血することで成長と繁殖をしてるため、たくさん付着した場合重篤な貧血を引き起こしたり、吸血の際ノミやダニの唾液などで、アレルギー反応や、伝染病を移したりします。
特にダニの伝染病に関しては近年死者をだして話題にもなりました。
ノミ、ダニの感染症は共に私たち人間にもうつる病気を運ぶ存在ともなりうるので、十分に気をつけなければなりません。
では、実際どうしたら良いのかというと、第一に予防です。
予防薬はネットや市販のものなどたくさんありますが、出来れば病院から処方されたものをつかった方がより良いと思います。
そして、
このように草むらにむやみに入らないことも重要です。
また次のポイントをよくみてあげるといいでしょう。
鼻
まぶた
耳の裏側
指の間
お腹
肛門周り
といった毛の薄い部分にダニはよく付着します。
ノミは毛の密集してるところにいるので、毛を掻き分けてみます。
散歩から帰ってきた時などに先ほどのポイントをみてあげるといいと思います。
また、ずっと室内で生活していても、なにかの拍子に室内へ入ってきてノミやダニが室内で繁殖するという事もあり得ます。
そのためずっと室内にいるわんちゃん、ねこちゃんも予防と、日々のスキンシップの一環としてよくみてあげるといいと思います。
犬のリハビリテーション ~水中トレッドミルを使って~
こんにちは。
リハビリテーション科の藤澤です。
毎日暑いが続き、動物も人も大変ですね。
今日も雨が降った後に晴れてきて、とっても湿度が高くてムシムシでしたが、そんな中、お膝の手術をしたバーニーズマウンテンドッグちゃんがリハビリテーションを受けにやってきてくれました。
歩き方もしっかりしてきて、手術した肢に体重もかけることができるようになってきました。
これはご家族とわんちゃんの日々の頑張りの成果です。
とても暑かった今日は、初めてお水を使ったリハビリテーションに挑戦!
お水の浮力で免荷しながら、しっかり関節の運動を入れる目的でやってみました。
お父さんとお母さんにご協力頂きながら、オヤツパワーも追加して(笑)とっても上手に練習できました。
またがんばりましょう!
ご家族の許可を頂きましたので、笑顔をぱちり。かわいいですね。
椎間板ヘルニア ~犬と人の病態の違い~
こんにちは。獣医師の鵜飼です。
最近日差しの強い日が目立ち、夏の気配を感じますが、皆様は元気にお過ごしでしょうか。
私は先週から家のエアコンを始動しました。
さて、今日はよく知られている椎間板ヘルニアについて犬と人との違いを交えながらお話ししたいと思います。
まず、椎間板とは背骨と背骨の間にあり、運動時に背骨へ加わる衝撃を緩和・吸収する、いわば、クッション材の役割をしています。
この椎間板は、2層構造を形成しており、中心部にクッション材のゼリー状(ゼラチン様)物質、それを取り囲むように外側に線維層のカプセルを形成しています。これは犬も人も同じです。
人の場合、日々の生活で腰を曲げ伸ばしすることで生じる負荷に椎間板が耐えようとし、外側の線維層が分厚くなります。
これが脊髄を圧迫するため長い時間をかけて徐々に手足の痺れなどを起こすと言われています。
しかし、ミニチュアダックスフンド、トイプードル、フレンチブルドックなどの犬種(軟骨異栄養犬種)は2歳頃までに中心部のゼリー状物質が硬く変化してしまいます。
そのため,線維層に亀裂を加えていき、完全に裂けることで硬く変化したゼリーが脊髄へ衝突します。そのため、犬の椎間板ヘルニアの多くはいつも急激に前触れなく起きます。
これらの理由から、人のものと比較して犬の急性のヘルニアは脊髄への障害が重度なことがしばしばあります。
もちろん犬にも人の様な椎間板ヘルニアは認められ,特に大型犬でよく認められます。
以上が人と犬の大きな違いでした。また、珍しいですが猫にも椎間板ヘルニアは起きます。
椎間板ヘルニアはミニチュアダックスフンドで圧倒的に多い疾患です。
ある報告では、ミニチュアダックスフンドの4頭に1頭がこの病気になると考えられています。
これほど発生率の高い病気はないかもしれません。
ご家族の犬・猫の手足に不自由が認められたり、歩けなくなってしまった場合は早めに動物病院へ相談してくださいね。
引用:Canine and Feline Neurology
ワンちゃんの骨折治療
こんにちは。獣医師の庄山です。
最近梅雨に入り、ジメジメとした雨の日が続いています。
私は去年自転車から転倒して手を骨折しました。現在骨はくっついていますが、湿度の高い最近は骨折部が痛むことがあります。皆さんも季節や天候により関節や骨が痛むことを経験したことがあるのではないでしょうか。
ワンちゃんも何かのアクシデントで骨折することがあります。特にトイプードルやヨーキー、パピヨン、ポメラニアン、イタリアングレーハウンドなどの小型犬の前足の骨折が近年増えています。その理由としては
① 前足の骨が非常に細長い
② ぴょんぴょん飛び跳ねたりジャンプするのが大好き
③ 日本で暮らしている小型犬の頭数(約18万頭)が多い。
などです。
特に1歳未満の若いワンちゃんは骨が軟らかく、ソファーから飛び降りただけでも骨折してしまう子もいます。
今回は当院の中でも特に骨が細かったワンちゃんの骨折治療をご紹介したいと思います。
チワワさんが抱っこの状態から誤って落ちてしまい、前足を骨折しました。
下の写真はその時のレントゲンです。 前足の手首に近い部位で斜めに骨折しているのがわかります
骨折していない前足
骨折している前足
骨折の治療は大きく分けて2種類あります。手術かギプスなのですが、骨が細いワンちゃんの場合ギプスでの治療が難しいことが多いです。この子の場合、骨の太さは4.7mmと非常に細く、骨折部がたった1mmずれただけも20%以上ずれることになります。その場合骨がうまくつかないことがあります。
ご家族との相談の結果手術をすることになりました。
手術に使用したプレート(特殊な金属の板)は薄く、スクリュー(プレートと骨をくっつけるネジ)は直径1mmで長さは5mmしかありません。
手術方法は骨にネジ穴を開けて、スクリューでプレートを骨に固定します。口で言うのは簡単ですが、非常に繊細で難しい手術です。しかし、当院では経験豊富な整形外科専門医が実際に手術を実施しているのでご心配にはおよびません。
下の写真は手術後のレントゲンです。
手術直後
手術後2週間
手術後4週間
手術後8週間
手術後すぐに骨折した足が使えるようになりました。
手術から2ヵ月で通院は終了し、今現在元気に走り回っています。
骨折は予防が可能なアクシデントです。ご自宅で実施できる予防策はいくつかあります。
・家具の上からの飛び降りを制限する
ソファーに階段を付ける、ソファーやいすに一人で乗せないようなしつけ
・床が滑らないような工夫
じゅうたんやカーペット、クッション性の高い床材(コルク性など)
・お散歩
ストレス解消のためにも外で十分な運動量確保し、室内で過度に運動させない。
小型犬の骨折はたいてい室内で起こります。
自分で骨折を経験された方はわかると思いますが、骨折すると非常に痛いですし治療期間はつらいものです。
小型犬の骨折が少なくなるように、以上のような飼育環境の整備をぜひお願い致します。
動物たちは人より熱中症になりやすいです
こんにちは。
動物看護師の吉川です。
最近はだんだんと夏に向けて暑さが増してきました。
ところで皆様、可愛い我が子の熱中症対策は万全でしょうか?熱中症は5〜10月までが起こりやすく、特に梅雨明けが要注意です!
駐車場で車内に動物を待機させる「5分くらいだから大丈夫……」
危険です!!!熱中症への道まっしぐらです!!!
車の窓を開けていたとしても、日中の車内の温度は直ぐに45℃まで上昇します!!
エアコンを消した車内は約10分で30℃になります!!
動物たちは人より熱中症になりやすいです。従って、30℃でも暑いのです。
診察をお待ち頂いている際に「他のワンちゃんを見ると吠えてしまう」「待合いスペースに居るのが苦手」と気を遣って頂いて車内で待機されている飼い主さんもいらっしゃると思います。
お部屋に空きがあれば一時的に涼しいお部屋にお預りする事も可能ですので、当院にいらっしゃった際にはお気軽にスタッフにお申し付けください。
抜け毛の季節(夏への準備)
こんにちは、看護士の佐々木です。
学校や会社では、今月から“衣替え”ですね。
動物達も冬に伸びた毛が抜けて、夏への準備をします。
我が家の犬達も今まさに準備中。
冬服から夏服へ着替えるだけの私達と違って、動物達は気温の変化などで少しずつ毛が抜けていくので、ブラシをかけてもかけてもまだ抜けています。
いつまで抜けるのかなぁ~。
心臓の音
こんにちは。獣医師の上嶋です。
獣医師がいつも身に着けている聴診器。
私は大学3年生の時に購入したものをずっと愛用していましたが、先日、ついにチューブが劣化し、新しいものに変えました。
今までのネイビーのチューブから、バーガンディーのチューブに変え、気分も一新しました。
獣医師は、聴診器でどんな音を聞いているのでしょうか?
心臓の音、肺の音、腸が動く音など、様々な音を聞いて、動物の状態を把握しています。
今回は、心臓の音についてお話しします。
心臓の音は、第1音と第2音という、二つの音が1セットとなって聞こえます。
よく、「ドックン、ドックン」と表現されますが、ドッの部分が第1音、クンの部分が第2音になります。
これは、心臓の中の弁が閉じる時に聞こえる音です。第1音は、僧帽弁、三尖弁という弁が閉じる時に聞こえる音で、第2音は、大動脈弁、肺動脈弁が閉じる時に聞こえる音です。
不整脈が起こると、「ドックン、ドックン」というリズムに乱れが生じます。
また、弁から血液が漏れてしまったり、血管を通る血液のスピードが速くなると、「ザー、ザー」という雑音が混ざります。
どこのタイミングで、どのような雑音が聞こえるか、また、どの場所で一番大きな雑音が聞こえるかによって、心臓のどこに異常があるかを、ある程度予想することが出来ます。
心臓病は、軽いうちには症状が出ないことがほとんどです。
中には、心臓の音に雑音が混ざらないタイプの心臓病もありますが、定期的に健診を受け、心臓の音に問題がないかをチェックしておくと、早期発見、早期治療につなげられるかもしれません。
気温の変化にご用心
こんにちは。動物看護師の田辺です。
暑い日が続いたかと思えば急に雨が降ったりと、天候の変わりやすい時期ですが、いかがお過ごしでしょうか。
体調をくずされたりしていませんでしょうか?スタッフの間でも、「なんだか咳が出るなあ」「○○さん、風邪ですか?」なんて会話が聞こえたりもしています。
もうじき梅雨に入ると思うと、バイクで通勤している私には憂鬱です。
さて、気温の変化に気をつけなければいけないのはもちろん動物も同じです。
特にこれからはワンちゃんの苦手な暑い季節がやってきます。
すでに入院室やペットホテルのお部屋など冷房をつけて室温調節をしています。
見回りをしていると、寒かった時期に比べてお皿の水の減りが早いなと感じます。
お散歩に出してあげる時には地面が熱くなっていないか、よく注意しています。
アスファルトの上でしゃがんでみると、むわっとした熱気を感じます。
ワンちゃんの背が私たちのしゃがんだ高さと同じくらいだとすると、思っている以上に暑さを感じているのかもしれません。
おうちで留守番をさせる時、車に乗せてあげる時にも、今日は暑くなるかな?お水は足りているかな?と気にして見てあげてください。
夕暮れどきにテラスで涼むりゅうくん。
風が気持ちいいです。
犬・猫の骨髄検査について
こんにちは、獣医師の森田です。
みなさん、骨髄という言葉を聞いたことがありますか?
骨は内部が空洞になっていて骨髄という組織で満たされています。
骨髄は血液を作る工場で、外敵から身を守る白血球・酸素を体に運搬する赤血球・傷ができた時に血を固めてくれる血小板などの細胞を作っています。骨髄で作られた細胞は血液中に出ていきそれぞれの働きをしてくれます。
病気になると上記の細胞が少なくなることがあります。結果、体の抵抗力が低下したり、貧血になったり、血が止まりづらくなったりします。
この異常はまず血液を調べると分かります。異常の原因が骨髄にあるのか・あるいは他の場所なのかを調べるために骨髄検査が実施されます。
骨髄の中に針を入れて細胞を採取し、骨髄で何が起こっているかを調べます。また、様々な“がん”が骨髄の中に入り込んでしまうことがあり、どれくらいがんが広がっているのか調べる目的で検査をする場合もあります。
<ジャムシディ針>
解説:骨髄針といわれるもので普通の針よりも少しだけ太くなっています。
<骨髄塗抹写真>
解説:取れた骨髄を見やすいように染色したものです。これを詳細に分析して治療に役立てます。
骨に針を刺すため、場合によっては全身麻酔が必要になることもありますが、骨髄検査をすることで通常の血液検査ではわからない血液の状態が把握できます。
また、検査自体は10分程度で終わり、動物への負担はほとんどありません。
骨髄検査、しかも全身麻酔をかけるかもしれないと聞くと、迷われてしまう方も多いと思います。
ですが、得られる情報によって治療の方法が見つかる場合もあります。
もし、愛犬・愛猫が動物病院で骨髄検査を提示された場合に、この話を思い出していただければ幸いです。
こころのケアー
獣医師の福島です。5月です。ほんとに暖かくなってお散歩やひなたっぼっこが気持ちいい季節になってきました。
リラックスして寝ている姿、なんて平和なんでしょう。
私たちは動物たちのそんな姿に日々癒されています。
みんなでお昼寝(=^・^=)
幸せ~