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2024年12月

角膜潰瘍について

こんにちは、獣医師の盧です。

今回は角膜潰瘍についてお話ししたいと思います。 

実は我が子「牛丼」(←猫です)が最近、目の調子がわるいです。

なんとなくしょぼついたり、片目が半開きにしていたり、薄い濁った目やにを垂らしたり。。

実はこれらはすべて目の病気の際によく出る症状です。

また、考えられる病気も多岐に渡り、角膜潰瘍や緑内障、ぶどう膜炎(目の中に炎症が起きている症状)などがあります。

しっかり調べていくには眼科検査に必要な道具をそろい、猫が暴れないように体を包むバスタオル(すべての猫に必要ではないが、我が子はかなり暴れるので一苦労(笑))も用意し、いざ検査へ

・フローレス+ローズベンガル染色

2種類の特殊な生体染色液を使い、角膜に傷があるかどうかの検査です。

傷があるとフローレスは緑に染まり、ローズベンガルは赤に染まります。

目に染色液を1滴垂らし、ブラックライトで照らすと傷がある部分は強く緑に光ります。

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やや分かりづらいですが、矢頭で示されている部分はフローレス陽性(緑に染まっている)で角膜に傷があることが分かりました。

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角膜潰瘍に対する治療ですが、角膜潰瘍を引き起こす原因により、さまざまな治療方法があります。

ただし、基本となるのは細菌感染の予防(細菌感染が見られた場合はしっかり治療)および角膜保護です。

また、角膜保護の点眼回数は多ければ多いほどいいのでしばらくは一緒に出勤してもらいました。

療法食に頼ってます

こんにちは、受付の神宮です。

今回は我が家のちょっとデリケートな猫のお話をさせていただきます。

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この子はまだ1歳にもならないころからストルバイト尿石症で数年療法食に頼り、調子良く生活をしてきましたが、昨年あたりから便秘気味になり、排便が2、3日おきになることもありました。

今年に入ってからは硬い便や量の多い便が出るたびに、なぜか膀胱炎になってしまうようになりました。

身体にストレスがかかるようです。走るだけでも膀胱炎になることが度々ありました。

原因は今のところ不明ですが、とにかく便秘を改善させる為に、繊維が多い療法食に切り替えたところ、便秘はびっくりするほどあっさり改善しました。

また普段はこんな感じで、のほほんとしているように見える子ですが、ちょっとした事でストレスを感じてしまうようです。

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先日、何かのきっかけで情緒不安定になってしまった事がありました。

水分補給目的であげていたウエットフードを、ストレスを軽減させる療法食に変えたところ、口に合ったという事もありますが、満足気になり落ち着きを取り戻しました。

今は身体の調子が良い日は同居猫と楽しそうに遊んでいます。

走り過ぎないよう気にかけていますが、かなり膀胱炎の頻度は少なくなっています。

今年で7歳、まだまだ元気でいて欲しいと願っています。

す。

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耳ヒゼンダニについて

こんにちは。獣医師の藤森です。

今回は耳ヒゼンダニについてお話しします。

「耳ヒゼンダニ」みなさんは聞いたことがあるでしょうか?

耳ヒゼンダニは皮膚の寄生虫です。

症状として外耳炎、強い痒みなどが見られます。

検査は耳垢をスライドグラスに乗せて顕微鏡で観察します。

顕微鏡を覗いてみると

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このように見えます。

どこに耳ヒゼンダニがいるか見つけられたでしょうか?

正解は、中心の楕円形が耳ダニの卵、右側に写っているのが耳ダニの成虫です。

拡大すると以下のように見えてきます。

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<耳ダニ 虫卵>

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<耳ダニ 成虫>

耳ヒゼンダニの治療は耳洗浄や駆虫薬で行われます。

耳ヒゼンダニは耳の中以外にも生息可能なため顔まわりや首まで皮膚症状を起こす可能性があります。

また、犬でも猫でも寄生できる寄生虫なので一緒に住む動物にも寄生する可能性があります。

月に一回の予防薬で予防できる寄生虫ですのでしっかり予防を行うことが大切です。

茶色い耳垢が出てきたり、耳をとても痒そうにしている時は動物病院で相談しましょう。

 

ごあいさつ(受付 林 奈穂)

はじめまして。

12月8日から入社致しました。受付の林と申します。

小さな頃から動物が好きで、実家では11歳のミックス犬(チワワとマルチーズ)を1匹飼っています。

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小さい体ながら食欲が旺盛で、ご褒美を貰うためなら何度でもおもちゃ目がけて駆けていく姿がとても愛おしく、またそんな部分は自分と通づる部分があるなぁと感じています。

知識も常識もまだまだ社会人として未熟な面が多々ございますが、まずは自分ができることを一つ一つ行い、いずれは皆様に信頼を置いていただけるスタッフの1人となれるよう尽力して参ります。

どうぞこれからよろしくお願いいたします。

 

 

犬や猫にとって注意が必要な食べ物について

こんにちは、看護師の粂川です。

12月に入り寒さも本格的になってきました。

今回は、犬や猫にとって注意が必要な食べ物についてお話ししたいと思います。

▷ネギ類

最初に挙げるのはネギ類です。ネギ類には長ネギやタマネギ、ニラなどがあります。鍋料理にネギ類を使う方も多いかと思います。

ネギ類に含まれる硫化物が赤血球を破壊してしまい、溶血(赤血球が壊れて中の成分が漏れ出すこと)することで、貧血や血尿、元気食欲の低下、嘔吐や下痢を引き起こします。

この成分は加熱しても破壊されないため、ネギ類を使った料理の汁などにも注意が必要です。

 

▷チョコレート

2つ目に挙げるのはチョコレートです。

チョコレートの原料のカカオに含まれるテオブロミンが心臓や中枢神経に作用することで、大量に摂取すると、嘔吐、下痢、興奮、けいれんなどを引き起こします。チョコレート以外にもカカオを原料とするココアなどにも注意が必要です。

また犬は甘いものを好む傾向があり、甘味を感じないとされる猫よりも注意が必要です。

 

▷鳥の骨

3つ目に挙げるのは鳥の骨です。クリスマスにはチキンを食べるご家庭もあるのでは無いでしょうか。

鳥の骨は縦に裂けやすく、食べてしまうと消化管を傷つけてしまうおそれがあります。

骨を柔らかい状態に処理してあったり、細かく噛み砕いて食べた場合は消化されることもありますが、食べた後に元気や食欲がなくなってきたり、嘔吐や下痢などの症状が見られた場合は動物病院をご受診ください。

また摘出が必要になった場合、消化管を傷つけてしまうおそれがあることから催吐処置(薬で吐き気を誘発させて吐かせること)ができないため、内視鏡や手術が必要になります。

 

今回は冬に特に注意が必要になる食べ物をお話しさせていただきました。

誤食は時に命に関わることもあります。

犬や猫の手が届くところに食べ物を置かないようにするなど、盗み食いや拾い食いにご注意ください。

しっかり対策を行い、楽しい年末年始を迎えましょう!

 

参考文献

・石岡克己ほか,犬・猫・エキゾチック動物の栄養管理と栄養指導 動物医療従事者のための臨床栄養学,EDUWARD Press,2022,p44-45

・長谷川成志ほか,愛玩動物看護師の教科書 第2巻,緑書房,2022,p104-105.

 

 

 

蹴りぐるみ

こんにちは、看護師の星です。

今回は『蹴りぐるみ』についてお話したいと思います。

蹴りぐるみはクッション性のあるぬいぐるみのようなもので、ネコちゃんの狩猟本能をいかして前足で掴んで後ろ足でけりけりして遊んでもらうおもちゃになります。

蹴る以外にも獲物を仕留めるように蹴り蹴りしながら噛み付くネコちゃんもいます。

ネコちゃんにとっては遊びながら狩する気分を味わえストレス発散にもなってくれます。

若い子など活動性の多い子や腕など近づけるとけりけりしてくるような子に向いているかもしれません。

また少し興味なさそうな子でもまたたびをかけてあげたりすることでけりけりしてくれるような子もいます。

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↑我が家のしじみはまたたび付きが好みでした。

 

エビやイモムシなど色々な形をしたものがあるのでネコちゃんの体格や好みの生地に合わせて選んであげるといいかもしれません。

我が家のネコたちは少しふわふわめの生地が好みのようです。

またちょっとした生地の余りでも作ることもできるため、ネコちゃんに合ったけりぐるみを作ってみてはいかがですか?

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