2023年11月
実家の猫の座り方
こんにちは。受付の松本です。
今年もあと2ヶ月を切り、朝晩冷え込む季節となりました。
毎年この時期になると思い出すのが、下の写真のような実家の猫の座り方です。
そう、「香箱座り」です!
前足を体の下に入れて座っている様子が、お香などを収納する「香箱」に似ていることから名付けられたそうです。
私は今まで、寒いからこの座り方をしているのかなと思っていましたが、気になって調べてみるとそれ以外にも理由があることが分かりました。
①リラックスしている
前足を体の下に入れていることで何かあってもすぐに逃げ出せない状態=すぐに逃げ出す必要がない状況なので、リラックスしていると考えられる。
②体調が悪い可能性
長時間身動きせずに香箱座りをしている=怪我や病気などの痛みを隠している可能性がある。
確かに我が家の猫が尿管結石になった時、②のような様子で鳴いて訴えていたことを思い出しました。
手術をして今は元気に過ごしていますが、シニア期に差し掛かったので普段の様子を気をつけて見ていかなければいけないなと思っています。
皆様も一緒に過ごす大切なご家族の体調に変化がありましたらご連絡ください。
病理診断と特殊染色
こんにちは。病理診断科 技師の密本です。
今回は特殊染色についてお話します。
以前、病理診断の基本染色であるヘマトキシリン・エオジン(HE)染色と、追加検査として行う免疫染色について説明しました。特殊染色も免疫染色と同じで、H E染色では分かりづらいことがある場合に実施する補助的な染色です。
免疫染色は抗原抗体反応を利用して目的とするタンパク質の有無の評価をするのに対し、特殊染色では化学反応を利用して特定の物質の有無を評価します。
当科では10種類の特殊染色を必要に応じて実施し、診断に役立てています。
最も行う機会が多いのは、トルイジンブルー染色です。
肥満細胞腫の診断において、リンパ節転移があるかどうか判断するために実施することの多い染色法です。
H E染色とトルイジンブルー染色ではどのように見え方が違うのか見てみましょう。
右後肢のできものが肥満細胞腫と診断されたワンちゃんの鼠径リンパ節のH E染色です。
リンパ節には、リンパ球やマクロファージを始めとする免疫細胞がみっちりと存在しているため、H E染色だけでは初期の腫瘍の転移病変は見つけづらいことがあります。
実際、全体が一様に染まっていてパッと見ただけではみんな同じ細胞に見えませんか?
そこで、このリンパ節にトルイジンブルー染色を施しました。
トルイジンブルー染色では肥満細胞の中の顆粒が赤紫色に染まります。
このようにH E染色では分かりづらかったことが、特殊染色を行うことによりはっきりとします。
今後ともH E染色、免疫染色、特殊染色の腕を磨き、当院の病理診断に役立てられるように頑張ります!
貧血もいろいろ
こんにちは、獣医師の遠藤です。
献血についてのお話があったので、今回は貧血についてお話ししていきます。
貧血と聞くと、どこかから出血してしまっていることを想像される方が多いかと思います。
しかし、出血による貧血はほんの一部であり、その他にもいろいろな機序で貧血が起こることが知られています。
例えば赤血球を作る工場(骨髄)に問題がある時、体に必要十分な赤血球が産生できずに貧血となります。
また工場には問題なくとも、備蓄されている材料(栄養)が不足していたり、工場までうまく運搬できなくても、十分な赤血球が産生できなくなってしまいます。
中には不思議なことに、折角自分で作った赤血球を自分自身で破壊してしまう病気も存在します。
その他にも、寄生虫が感染してしまったり、欠陥のある赤血球が作られることで赤血球の寿命が短くなったりするなど、意外と原因は多岐にわたります。
これらは、その他の血液検査や画像検査、骨髄検査などを組み合わせて鑑別していきます。
貧血はさまざまな病気の結果でありサインの1つでもあります。
中には命に関わる場合もあります。
大事なご家族で貧血を認めた場合には、一度ご相談ください。
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