2023年9月
『心タンポナーデ』について
こんにちは。
画像診断科を担当しております獣医師の勝山です。
今回は『心タンポナーデ』についてお話したいと思います。
『心タンポナーデ』という言葉は、あまり聞き慣れない言葉だと思います。
まずは心臓の機能や構造について簡単にお話したほうがわかりやすいと思います。
心臓は皆様ご存知の通り、血液のポンプの役割をしており、全身からかえってきた血液を肺に送り、肺できれいになった血液を全身に送っています。
そして、心臓は心膜という膜で覆われているのですが、心臓と心膜の間にたまる水のことを心嚢水(心膜水)といいます。
【正常な心臓】
【心タンポナーデ】
心嚢水は心臓を動きやすくしたり心臓を守ったりする役割があり、正常でも微量にありますが、なんらかの原因により増えてくることがあります。
『心タンポナーデ』は、この心嚢水がたくさんたまってしまうことによって心臓がつぶれてしまい、心臓のポンプの役割ができなくなった状態のことを言います。
心臓のポンプ機能がうまく働かないと、全身にうまく血液を送れないため低血圧になり、突然倒れる、動きが悪くなる、呼吸が苦しいなどの症状が出ます。
原因はいくつかありますが、心臓にできた腫瘍からの出血で起こることが多いです。
心タンポナーデになっている場合には速やかに心嚢水を抜いて心臓のポンプ機能を復活させないと命にかかわります。
このような症状が出た場合には緊急でご来院いただき、すぐに検査や処置をする必要があります。
ご来院後、すぐに身体検査や血圧測定などを行います。
また、同じ症状で他の病気(お腹のできものの破裂など)があることもあるので、画像検査を行って原因を特定します。
心タンポナーデになっている場合には超音波で確認しながら針を刺して心嚢水を抜きます。
【正常な犬の胸部X線画像】
【心タンポナーデの犬の胸部X線画像】
正常と比べると心臓がかなり大きくなっています
【正常な犬の心臓超音波画像】
【心タンポナーデの犬の心臓超音波画像】
心嚢水がたくさんたまっているため、心臓がつぶれて膨らむことができません
【心嚢水抜去後の心臓超音波画像】
心嚢水を少し抜くと、心臓が少し膨らむ余裕ができました
『心タンポナーデ』は命にかかわる状態であるため、上記のような症状が見られた場合にはすぐにご連絡ください。
ねこ検定
初めまして。
8月に入社いたしました、動物看護師のコーカラインと申します。
東京の動物病院に5年程勤務した後、埼玉への引っ越しを機に働かせていただくこととなりました。
新しい環境で色々と不慣れな点もあるかと存じますが、どうぞよろしくお願い致します。
先日、本屋さんに立ち寄った際に、「ねこ検定の公式ガイドブック」というものを目にしました。
それまで、ねこ検定の存在を知らなかったのですが、内容を見てみると猫に関する歴史、文化、生態や適した環境づくり等、幅広い内容が書いてあり、思わず購入してしまいました。「ねこ検定」は初級、中級、上級の3段階に分かれており、
初級と中級は誰でも受験でき、上級は中級に受かった場合に受験できるそうです。
我が家では、もうすぐ2歳になるボンベイという種類の猫を飼っております。
自分の猫についての知識をもっと深めたいという想いと、病院に来院される猫ちゃん達の接し方をより良くするヒントになればと思い、来年のねこ検定を受験してみます。
「私は犬派!」という方向けに、いぬ検定もあるそうです。
段ボール箱に入るのが大好きな我が家の猫です。
術後服
こんにちは、動物看護師の柳瀬です。
お家の子が手術をしたことがある方はご存知かもしれませんが、わんちゃんねこちゃんの手術後に舐めたりしないように傷口を保護するお洋服として術後服と呼ばれるものがあります。
わんちゃん男の子用・女の子用、ねこちゃん用があり、体格に合った様々なサイズがあります。
こんな感じのお洋服で我が家の詩ちゃん、琴ちゃんも避妊手術後に抜糸するまで着用していました。
この術後服ですが避妊手術のような開腹の手術などでは傷口をしっかり保護してくれるのですが、開胸手術や体表腫瘤の切除など手術箇所によっては全く覆えないことがあります。
そこで当院では手術内容によってはこのようなお洋服を手術後に着させてお返しすることがあります。
ハイネックで袖が長いので多くの手術箇所を保護することができます。
こちらのお洋服もわんちゃん男の子用・女の子用、ねこちゃん用があります。普通の術後服同様、お腹をなるべく保護しつつ着用したまま排泄が出来るようになっています。こちらはわんちゃん男の子用です。
手術後、普通の術後服やお持ちのお洋服では心配という場合はお気軽にご相談ください。
大変な手術を頑張ってくれたわんちゃんねこちゃんが手術後に傷口を舐めて開いてしまったり、感染してしまうことがないようにしてあげましょう!
愛犬パグのクーについて
こんにちは、動物ケアスタッフの森谷です。
まだまだ暑い日が続いていますが、みなさん、体調などは崩されてないでしょうか
今回は、我が家で飼っていた愛犬パグのクーについてお話ししたいと思います。
我が家ではパグのクーを飼っていましたが、今年の1月頃14歳という年齢まで頑張ってくれました。
ペットショップで一目惚れし、我が家にやってきてくれた時から、元気いっぱいで家族の癒しでした!
ご飯も必ず完食、散歩に行くと疲れて道のど真ん中で横になり休憩する事もありました。
パグは以前はペットショップでもあまり見かけない事が多かったですが、最近はよく見かけるようになりました。
鼻が短く(短頭種という分類になる)尻尾がくるっとなっているのが特徴です。
鼻が潰れているので、夏場は熱中症になりやすいので注意が必要です
血液検査の機械をご紹介します
こんにちは、看護師の斉藤です。
今日は血液検査の機械をご紹介します。
パスファーストという機械で、TATという凝固の項目を測定するのに使用しています。
凝固の検査は、出血した時にきちんと血が止まるか、血栓が出来やすくなってないかなどを調べます。
この機械が導入される前は、外部の検査会社に検査を依頼していて結果が出るまで少し時間がかかりましたが、今では早ければ30分程で結果がでます。
当院ではTATをたくさん測定するので、とても活躍してくれている機械です!!