2022年5月
今年も予防の季節がやってきました。
受付の築地です。
紫陽花も咲き始め、梅雨前らしくじんわりと暑くなってきましたね。
我が家のハスキー犬にとっては日中の散歩や車内のお留守番がつらくなってきました。
晴れ予報の日は、早起きをして朝日が昇りきる前にお散歩に出発します。
暑がりな我々は、涼しい森林の中を歩きます。
快適なお散歩コースですが、草木のある所にはワンちゃんネコちゃんにとって危険がたくさん潜んでいます。
ノミやダニ、蚊、蛇、目に見えない様々な感染症…。
当院では年に1回の混合ワクチン、今頃の時期から年に8回のフィラリア予防、ノミ・ダニ予防薬の投与をおすすめしています。
様々なお薬があるので、ご購入の際はご相談下さい!
ほとんどお外に出ない子でも、蚊、ノミ・ダニが室内に侵入したり、家族が知らず知らずに持ち込む可能性は充分にありますので、油断は禁物です!
大切なワンちゃんネコちゃんを守るために、しっかりと感染予防や熱中症対策をとりましょう!
診察室の奥で覗き見ているもの。
こんにちは、獣医師の前田です。
昨年10月より腫瘍科で勤務しています。
さて、ワンちゃんも猫ちゃんも大切な家族の一員でありスキンシップは欠かせませんよね。
私自身、帰宅するといつも真っ先に飼っている猫のお腹に顔を埋めてリラックスさせてもらっています。
体を撫でている時に、「あれ、何か触れるぞ。これは何だろう。。」と謎のできものを見つけてしまうことがあるかと思います。できものと言っても色々な種類のものがあり、もちろん何かの“がん(悪性腫瘍)”であることもあります。
不安になりますよね。
そんな時は我々獣医師にご相談ください。
できものの大きさ、発生部位、状況(破裂したり化膿したりしているか)にもよりますが動物の負担が少なく迅速に実施可能な検査法の一つとして“針生検”というものがあります。
採血で使用する細い針を使って、できものから細胞成分を採取し顕微鏡で観察するという検査です。
実際にどんなものを見ているの?と、思いますよね。
今回は、診察室の奥で我々が何を見ているのかについて一部ご紹介します。
まずは針生検の手順について、
①できものを発見します
→②触ったり、大きさを測ったりしてできものの状況を確認します
→③針で刺します
→④スライドグラスに採取した細胞を吹き付けて、染色します
→④さあ、顕微鏡で見てみましょう!
顕微鏡を覗くと見えてくる細胞達です。
丸い形が主体のものや・・
長細く伸びてあまり固まっていないもの・・
ぎゅっと塊状になっているもの・・
色々な形をしたものがあります。
典型的な形態を示す腫瘍(肥満細胞腫、リンパ腫など)は針生検のみで診断することもありますが、多くの場合は「〇〇っぽい。」という所までしか判断できません。例えば、「似たような形態をした細胞ばかり見えるので、腫瘍っぽい。」とか、「様々な炎症性細胞が混在して見えるので、炎症性のものっぽい。」とかです。
このような場合、確定診断のためには最終的に組織を一部切り取る切除生検をしたり、治療を兼ねて、できものそのものを切除することが必要となりますが全身麻酔で実施しなければなりません。
全身麻酔や手術は、程度にもよりますが、動物達の体に負担をかけるものです。
しかし、できものが悪性腫瘍であった場合は放っておくとどんどん大きくなったり、いつの間にか遠隔転移を起こして治療適期を逃してしまう可能性があります。
麻酔、手術を行うことで得られるメリット(診断がつく、治療ができる)とデメリット(麻酔リスク、体の負担)を天秤にかけて治療方針を決定しなければいけません。
その際に「〜っぽい。」という客観的な情報が一つあるだけでも、積極的な検査や治療を進めるか、少し経過を見てみるか、という判断の助けになるかと思います。
動物達の健康状態も様々であり、容易に判断できないことがほとんどです。
そのような場合は気軽に私達にご相談ください。
自分達の知識、経験をもとに動物達とご家族が納得できる治療方針を共に考えていきたいと思っています。
正体のわからないものをそのままにしておくことは思っている以上に不安になるものです。
今回ご紹介した針生検自体は麻酔もなく気軽に行える検査であり、確定診断までは難しいものの、何となーく正体がわかるだけでもご家族の心は落ち着くと思いますし、その後必要なことについて前向きに考えることができることと思います。
特に腫瘍科を受診される患者様は悪性腫瘍を患い、難しい状況にあったり、厳しい選択を迫られることもあり不安を抱えて来院されていると常日頃感じています。
私自身も獣医師になってからずっと共にしている家族(猫)がおりますので、その気持ちが痛い程に分かります。
動物達とそのご家族の不安を少しでも和らげてあげられるよう常に心がけ、今後も診療にあたっていきたいと思います。
とりあえず、本日も早く自宅に帰って猫のお腹に顔を埋めて、健康であることのありがたさを感じさせて頂こうと思います。
画像診断科獣医師の石川雄大と申します
皆様
はじめまして。昨年6月より画像診断科で勤務しております獣医師の石川雄大と申します。
普段飼い主様と接点が少ない画像診断科に所属しており、またブログが初めてであるため、遅ればせながら自己紹介させていただきます。
出身は三重県で、この春で臨床9年目になりました。
趣味はカメラで、入間に引っ越してきて雄大な自然に囲まれた環境で野鳥撮影にはまっています。
私は2014年に帯広畜産大学を卒業後、愛知県の動物病院で一般診療に従事し、その中で画像診断の魅力や奥深さ、難しさを肌で感じもっともっと突き詰めたいと思い横浜の病院へ転職。
その後ご縁があり昨年より当院の画像診断科の一員となりました。
画像診断分野は血液検査などとは違い検査機器が「ここおかしいですよ!」と異常を知らせてくれるものではありません。
つまり画像を見る人、検査をする人の技量や経験、知識量によって得られる情報量や診断は大きく左右される分野です。
日本全国の動物病院を探しても画像診断科が設立されている病院はまだ少ないのですが、当院では5人の画像診断医(非常勤を含む)が在籍しており、どの曜日にも画像診断検定医が常在しています。
この層の厚さは当院画像診断科の最大の強みと感じております。
普段なかなか飼い主様と接点がない診療科ですが、画像検査の際にはどうぞお任せください。
陰ながら最大限に診療のサポートをさせていただきます!
最後になりましたが、最近撮影したカワセミとルリビタキの写真を添えたいと思います。
受付の矢野と申します
初めまして、昨年11月に入社しました受付の矢野です。
全く別の分野を学生時代は学んでおりましたが、物心つく前から動物を飼っており、家族に獣医師資格を持つ者がいたため、動物は身近な存在でした。
本院に就職する前は保護猫活動しているボランティアさんの所で猫たちのお世話をしておりました。
現在も7才と6才の猫と一緒に生活しております。
まだまだ至らない点も多く、日々勉強中です。
飼い主様と家族の一員である動物に寄り添えるよう精進していきますので、よろしくお願い致します。