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2021年12月

輸血前のクロスマッチ試験

こんにちは。獣医師の渡邊です。

座古先生に引き続き、血液に関するお話です。

後半は輸血を行う前のクロスマッチ試験に関するお話をします。

前半では、犬にはDEA1.1という血液の型があり、これが(+)と(−)に分類されることをお話ししました。

では、輸血が必要なわんちゃんがいる時に、血液型が合えば、すぐに輸血が可能になるのか。

実は、血液型以外にも交差適合試験(クロスマッチ試験)というものが必要になります。

さて、この話をするには、DEAに関してお話ししなければなりません。

赤血球の表面には、自身が赤血球であることを証明するマーカー(抗原)が複数あります。

そのうち、最も強い抗原抗体反応を起こすものがDEA1.1であり、まずはこれを調べて大まかな分類を行います(血液型分類)。

しかし、いくら抗原抗体反応が比較的弱いとはいえ、他のマーカー(DEA3、DEA4...)は区別しなくても良いのでしょうか?

輸血をするということは、ドナー(血液をくれる子)の血液をレシピエント(血液をもらう子)に入れること、つまり臓器移植と同じです。少し慎重になって考えてみる必要があります。

ここで、交差適合試験(クロスマッチ試験)の登場です。

簡単にいえば、ドナーとレシピエントの血液を混ぜ合わせ、拒絶反応が起きないかを確認しています。

最も重要なのは、レシピエントの免疫が、ドナーの血液を攻撃しないか、ということです。

せっかく入れた血液が、免疫により攻撃され、体内で分解されていくことは、レシピエントの体に負担がかかり、さらに体調を悪化させてしまいます。

つまり、これら2つの検査(血液型の合致、クロスマッチ試験)が問題なければ、そこで初めて輸血が可能となるのです。

これらが合わない場合、輸血を実施することはできません。

そのため、1頭のレシピエントに対して、ドナーの候補が複数必要になります。

当院では大きな手術や血液の病気を抱えている子も多く、輸血が必要になることが多いです。

供血犬としてすでにご登録いただいている子も複数いますが、それでも血液が不足しているのが現状です。

1人でも多くの命を救うために、献血にご協力いただける方がいらっしゃいましたら、ぜひご連絡・ご相談いただければと思います。

 

ペットドックについて

こんにちは。獣医師の遠藤です。

今回はペットドックについてです。

当院では年に1度、血液検査をはじめ、レントゲン検査、超音波検査、尿検査、便検査などなど、大切なわんちゃんねこちゃんの健康診断を実施しています。

“うちの子は健康だから大丈夫!”というお声も度々耳にしますが、考え方を少しだけ変えてみましょう。

“症状が出ていない今だからこそ、早期発見が実現し、完治出来る可能性があるのです!”

症状が顕在化してきた時にはすでに…といったことも残念ながら経験しています。

先日も、見た目は健康体そのものであったわんちゃんに、まだ転移をする前の非常に早期の悪性腫瘍が見つかりました。

他の臓器に異常もなかったので、麻酔リスクも最小限で手術を行うことができました。

ペットドックの流れとしましては、午前中にお預かりして日中に検査を実施し、夕方のお迎えとなります。

結果もその日のうちにご説明させていただきます。

もし興味のある方がいらっしゃいましたら、一度ご連絡ください。

 

デグーについてお話しします

こんにちは。看護師の岡田です。

今回は我が家で飼っているデグーについてお話しします。

デグーってどんな動物?って思う方が多いと思います。

デグーとはチリのアンデス山脈に生息している齧歯類であり、体長は約15cmくらいになります。

寿命は6〜8年と言われています。

とても人懐っこく、色々な鳴き声で鳴くことによりコミュニケーションをとることが出来るため"アンデスの歌うネズミ"とも呼ばれているそうです。

デグーは群れで生活しているため、我が家の2匹もよくくっついています。

ご飯をあげると両手で持ち食べる姿がとても可愛いです。

2匹ともとても元気で回し車でよく走っており、ケージの扉を開けると近寄ってきてくれて手に乗ったりもしてくれます。

最近はペットショップで見かけることが多くなりましたが、まだ知らない方はとても多いと思います。

このブログを機に是非デグーについて調べてみて下さいね。

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血液型について

こんにちは、獣医師の座古です。

今回は血液について前半後半に分かれてお話ししたいと思います。

前半は血液型についてです。

犬には13種類以上、猫には3種類の血液型があります。

今回は犬について詳しくお話しします。

人はABO式で4種類(A、B、O、A B)ありますが、犬はDEA式という分類になり、全部で8種類のDEA(犬赤血球抗原)があります。それぞれが+(抗原を持っている)なのか−(抗原を持っていない)なのかの組み合わせで血液型が決まります。

犬の血液型は非常に複雑なのです。

DEA1.1という型の血液型測定は、院内で測定可能です。

早速血液型を調べてみましょう。

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このようなキットを使って検査します。

希釈液と血液を混ぜ合わせることで、5分くらいで結果がわかります

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このわんちゃんは血液が粒々(凝集)しているので、DEA1.1(+)と分かります。

サラサラ(凝集していない)しているとDEA1.1(−)です。

血液型は輸血をする際に非常に大切な検査項目となります。

ちなみに猫はA、B、ABの3種類になります。

院内猫のししゃもはA型

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うずらはB型です。

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当院では、輸血を必要とする子、ドナーとなってくれるわんちゃん、ねこちゃんには、まず一般の血液検査と血液型の検査を実施しています。

一つでも多くの命を救うために、もし献血にご協力いただける方がいらっしゃいましたら、ぜひご連絡・ご相談頂ければと思います。

後半は輸血をする際の適合試験(クロスマッチ)についてお話しします。

お楽しみに!

 

覚えるといいコマンド

こんにちは。看護師の佐藤さつきです。

朝晩がとても冷えるようになりましたね。

今回は、これは覚えるといいコマンドをお伝えしようと思います。

わんちゃんはとても賢いので色々な芸を覚えたりすることができますが、これを覚えさせると生活に役立つよ!というものをご紹介します。

おいで

待て

付いて

これらは日々の生活の中で何かあった時にわんちゃんを守ることもできるコマンドになります。

散歩中に知らない人とすれ違うときや、わんわん吠えてしまう子もおいで、ついて、待てでいい子にできるかもしれません。

ハウス

出して(口から)

口開けて

これらはもしも病気になってお薬を飲ませないといけない時、怪我をしてしまった時、食べてはいけないものを口に入れてしまった時に役立ちます。

口開けてを覚えていれば、お薬をぽんっとお口の中に入れてあげることができます。

整形外科疾患や椎間板ヘルニアになってしまった時などはお部屋の中で安静にしておく指示が出ます。

この時にケージに入っていられない子が入っているのはとてもストレスになってきます。

また、災害が起きた時もケージに入れておかなければいけない状況になることがあるかもしれません。

普段から入る練習をしておくとわんちゃんも慣れてくれるのでストレスが少なく過ごせると思います。

これらはわたしの犬に教えておいてよかったなーと思ったものになります。

どのコマンドを教える時も、褒めることが大切になります.

初めのうちはおやつを毎回あげながらたくさん褒め言葉もかけながらやってみてください。

覚えてきてくれたらおやつの間隔をあけて褒めるだけに変えてみてください。

おやつがなくてもできる状態にしておくのが最終目標になります。

でもご褒美は大切なのでたまにあげてあげるのも大切です。

太ってしまうのが気になる方はいつものご飯の量から少しだけ取り出しておいて、それをご褒美にしてみてください。

わんちゃんはおやつをもらえるのも嬉しいですが、家族に褒められることもとても喜びます。

コミュニケーションの一環で毎日少しずつやってみるといいかもしれません。

子犬でも、成犬になっても覚えられます。ぜひ試してみてください!

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待てと付いての様子です。

9歳で口開けてをおぼえたジェイクです

血液検査の機械

こんにちは、看護師の斉藤です。

今日は血液検査の機械をご紹介します。

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富士ドライケムという機械です。

この機械では血糖値や、コレステロール、カルシウムなどといった生化学と呼ばれる項目を調べる事ができます。

少し前に最新型にバージョンアップし、タッチパネル操作になり、見た目もスタイリッシュでカッコよくなりました!

患者さんの治療の役にたてるよう、機械共々、頑張ってまいります。