2021年8月
先天性門脈体循環シャント
こんにちは、獣医師の杉野です。
今回は先天性門脈体循環シャントという病気について簡単にご説明したいと思います。
動物の体の中には栄養分や毒素を肝臓へと運ぶ門脈という血管があります。
動物たちの中には、この門脈が先天的に全身の静脈とバイパスされてしまっている子がいます。
この異常のことを門脈体循環シャントと言います。
シャントがあると、本来肝臓へ行って代謝・分解されるはずだった栄養分や毒素がそのまま全身に回ってしまうことが問題になります。
これにより、初期には嘔吐や下痢、食欲不振などの症状が出ることが多く、進行してくるとふらつきや発作などの神経症状がみられることもあります。
診断は、血液検査やレントゲン、超音波検査、CT検査などで行います。
↓は門脈体循環シャントの症例のCT画像から3D構築した画像です。
門脈体循環シャントだと分かったら、手術を行い、その異常な血管を縛ることで治療することができます。
手術以外の治療法は点滴や低蛋白食などの対症療法に限定され、残念ながらそれらで完全に治ることはありません。
仔犬なのに食が細い、成長が遅い、食後にぐったりしてしまうなどといった症状があったら、門脈体循環シャントのサインかもしれません。
もしこういった症状がみられましたら、早めに病院で検査することをおすすめします。
8月も終わりですね
動物看護師の小山田です。
8月も終わりですね。
今年夏も暑かったですね。
我が家のわんこたちは、いつもいるふわふわのベッドやソファの上は暑かったようで、エアコンの真下の冷たいフローリングという避暑地に移動して寝てることが多かったです。
まだもう少し暑いと思うので、人も動物も暑さに負けないように気をつけましょう。
エリザベスカラーについて
運動のススメ(室内・小型犬版)
みなさんこんにちは
動物看護師の後藤です。
ここ数日暑い日が続きますね。
こう暑いと日々のお散歩もままなりません。
中〜高齢犬は特に日常の運動時間が減ってしまうと全身の筋力や体力がガクッと低下してしまいがちです。
そこで室内で出来るちょっとした運動をご紹介します。
今回協力していただくのはチワワのおちゃたくん(11才)です。
挑戦してもらう運動はただタオルを並べただけのちょっとした障害です。
小型犬にとってタオルをただ丸めて並べただけでも自分の体と同じくらいの高さの障害になります。
そこを越えるということはなかなか大変です。
またタオルはふわっとしていて、沈み込むのでそれぞれの足でしっかりバランスをとらないと上手く立っていることができません。
おちゃたくんはとても上手ですね。
さらに難しくしていきましょう!
タオルの下に長座布団を敷きます。更に高さと不安定性が増しました。上手にできるかなー?
上手にできましたー。
ここでひと工夫、嗅覚を使って隠したおやつを探してもらいます。
運動と合わせて感覚器官を使わせると認知機能の低下予防につながります。
物足りなさそうなのでもっと運動しましょう。
今度はトンネルくぐりです。
タオルを上手く積み、上に天井を作ります。
身体を屈んだ姿勢で前進するので、普段と違った運動になります。
このように特別な道具がなくても十分な運動をすることが可能です。
シニア期になってくると新しいものに興味を示しにくくなりますので、楽しく褒めながら運動してあげるといいと思います。
夏場の運動に関してご相談などあればいつでもリハビリ科スタッフにご相談ください。
ドッグスポーツ
こんにちは。受付の築地です。
オリンピック、たくさんのメダル獲得で盛り上がっていますね!
私自身、最近はスポーツをする機会がないのですが、学生の頃はリレーや体操が得意でした。
今の唯一の運動は犬の散歩です…。
ところで、わんちゃんのスポーツも色々なものがありますね。
海外のアジリティやレースの大会映像などを観ると迫力があってとても興奮します!
我が家の犬も、少しだけアジリティをしています。
本格的な練習をしているわんちゃんから見ると、笑われてしまいそうな走りっぷりですが
生き生きとした表情で駆けて、最後のゴールでは得意げにドヤ顔をしてくれるので
彼女なりにアジリティを楽しんでいるようです。
一緒に目標を持つことや成し遂げようとすることでより絆が深まるのは、人も動物も同じだなと思いました。
苦手を克服する達成感や喜びもひとしおです。
高齢でもゆっくりマイペースに楽しんでいる子もいますし、一緒に身体を動かすものは人間の運動不足やストレス解消にもなりますので、
わんちゃんと暮らしている方はひと味違う遊びやコミュニケーションのひとつとして、ドッグスポーツを始めてみてはいかがでしょうか。
愛犬の意外な一面を見ることができるかもしれません。