2017年9月
供血のありがたさ
初めまして
4月に入社した看護師の加藤です
今回は供血のありがたさについてお話したいと思います。
実は少し前に実家で飼っている秋田犬、ゆずが貧血、腎不全、子宮内膜炎で病院に入院していました。
病院に来る前は実家にいる母から「散歩に行きたがらず食欲もなくよくふらついてしまうと」連絡がありました。
私が実家に帰った時にゆずの歯茎の色を見たらとても白く、だるそうに見えました。
病院に連れてきて検査をしてみると貧血の値が11%(基準値40-50)と、とても低く輸血が必要な状況でした。
病院に血液型の合うストックがあればすぐ輸血できますがなければ供血してくれる子を探すことから始まります。
私の実家には、ゆずの他にゆずの子である秋田犬が2頭いました。なのでその子達から供血をし、すぐに輸血をすることが出来ました。
すぐに輸血できる血液があるとやはり安心します。
供血をしてくれるわんちゃんにはほんとに感謝するべきだなと実感しました。
おかげでゆずの貧血は改善され現在は退院し腎臓に対する投薬などをしながら経過をみています。
入院した当初よりかははるかに元気な顔で過ごせているみたいです。
当院では供血ボランティアを募集しています。
一つでも多くの命を救うために皆さまにもご協力を頂いております。
ご興味を持たれた方はお気軽にスタッフにお声をかけてください。
獣医療ソーシャルワーカー
こんにちは、獣医療ソーシャルワーカー(獣医師)の今井です。
月に4日ほど、待合室で飼い主さまへお声掛けしております。
私の声掛けに多くの飼い主さまは対話を快諾していいただきそのときのご不安やお困りごとを聴かせていただき 合わせて、治療やご自宅での看護についてのご相談にも対応させて頂いております。
「動物病院にも人の病院と同じようなソーシャルワーカーがいるんですね」などといった反応をいただくことがあります。
今では動物は愛玩としてだけではなく、大切な家族として存在しています
しかしながら、まだまだ世の中には浸透していない現状があります。
当院では、大切な家族の一員としての位置づけを踏まえて獣医療ソーシャルワーカーがおります。
先日参加した学会において、心に残ったを話しを紹介します。GNH(国民総幸福量)の概念を提唱しているブーダン王国のカルマ氏による特別講演の中で彼はこのようのことを話してくれました。
「約100年前人種差別を、そして50年性差別を私たちは克服してきました。いつか動物に対しも同じように思いやりのある社会となるでしょう」私はこの言葉に勇気づけられています。
大切な家族としての存在である動物に対して、飼い主さまとご一緒に、できる事そしてすべき事を考えて行ければと思っています。
お気軽に、声を掛けてください
写真は我が家のテト君、 ちょうど3年前我が家にやって来た頃の寝姿です
肥満で情緒不安定?
こんにちは。獣医師の上嶋です。
朝晩はずいぶん涼しくなってきましたが、皆様体調などくずされていませんか?
今回は、肥満と診断された犬が減量することで、生活の質(QOL)が上がったという論文についてご紹介したいと思います。
この論文では、肥満と診断された犬のご家族に、減量前後でQOLに関するアンケートに答えてもらい、ご家族が感じる犬の活力、情緒不安定さ、不安、痛みの各カテゴリーにおいて改善が認められるかどうかを調査しました。
その結果、減量を成功させた犬で、情緒不安定さ、痛みのスコアが軽減したとの結果がでました。
また、減量に失敗した犬は、成功した犬に比べ、活力が低く、情緒不安定のスコアが高いとの結果がでました。
体重が増えると、骨や関節にかかる負担が増し、関節炎などの病気が悪化します。
適度な減量は、関節への負担を減らし、痛みの軽減につながります。
そして、痛みが軽減するということは、活動性の上昇や、精神的な機敏さ、外向性の上昇につながると考えられます。
なぜ肥満だと情緒不安定のスコアが高くなるかについては、はっきりとは分かっていませんが、人では、糖質が過剰にあると精神的に不安定になるのではないかという説があるようです。
肥満の犬では、適正体重の犬よりも熱中症による死亡率が高いということも分かっています。
夏はダイエットの成果が出づらい時期ではありますが、心と体の健康のため、適正体重の維持を目指しましょう。
ダイエットの方法でお困りの方は、病院スタッフにお気軽にお問い合わせください。