2017年3月
猫の皮膚病について
こんにちは獣医師の徳山です。
みなさんいかがお過ごしでしょうか。段々暖かくなり過ごしやすくなってきましたね。
本日は猫の皮膚病についてお話ししたいと思います。
猫は犬よりも皮膚病は少ないですが、中にはかかると非常に厄介な病気があります。
その病気の名前は皮膚糸状菌症という病気で、原因は真菌(カビ)の一種です。
糸状菌にはいくつか種類がありますが、本日は猫の糸状菌症の中でも最も多いMicrosporum.canis(以下M.canis)という真菌についてご説明します。
なお、この病気は猫に特に多いですが犬にも発生することがあります。
症状としては脱毛・切れやすい毛・赤み・痒み・黄色いかさぶたなどがありますが、これらの症状が全くないが真菌が毛にくっついていることもあります。
どこから感染するかもあまり詳しくわかっていませんが、毛や家の埃にのって感染すると言われています。
感染した時には治療として薬や繰り返しのシャンプーが必要になり、治すのには4〜8週間ほどかかります。
皮膚糸状菌症(M.canis)に感染した猫の皮膚
厄介な点の一つが、人にも感染することです。
特に免疫力の弱い赤ちゃんや子供に感染しやすく、最初の症状としては円状の皮膚炎として見られ悪化してくると皮膚が硬くなってその部分は毛が生えなくなり治療が遅れると元に戻らなくなることがあるので、症状が出たら早めに人の皮膚科の受診をおすすめします。
もう一つの厄介な点がその生命力です。
猫の毛や家の埃に付着した真菌は、数ヶ月〜数年生きて猫や人に感染力を持ち続けるので治療が終わっても繰り返し感染してしまいます。
これを防ぐには家中の除菌が必要になります。
除菌の方法は大きく分けて二つあります。
一つは塩素です。
しかし塩素で真菌を除菌しようとすると時間がかかり、そのうえ脱色作用があるので家具などが脱色されてしまいます。
もう一つは熱で44℃以上の熱で真菌はすぐに死滅するので掃除用の高温スチーマーを使って家中を掃除するのも有効です。
また布などは熱湯に漬けるといいでしょう。
しかし、どの方法を取ってもとにかく家の隅々まで(エアコンの内部なども)繰り返し掃除する必要があり、布のソファなど除菌し切るのが難しいものは捨てなくてはいけないこともあり本当に大変です。
最も大事なことは家に真菌を持ち込まないようにすることで、猫や犬を新しく飼う時に皮膚の症状はないかなどは気にした方がいいでしょう。
新しく迎える猫や犬が痒がっていたり皮膚が赤くなっていることがあれば一度当院までご相談ください。
供血犬デレクのお話
看護師の森下です。
暖かくなってきて、花粉症のつらい季節ですね。みなさまいかがお過ごしでしょうか。
今回は供血犬デレクのお話です。
以前にも何度かブログで書かせていただいていますが、デレクは当院の供血犬でロットワイラーの男の子です。
今年の2月で3歳になりました。普段は私の家で過ごしています。デレクの協力が必要な時だけ、病院に連れてきています。
デレクの好きなものはストーブとテレビです。
我が家では8面のサークルの中で過ごしていますが、冬の間は自分でサークルごとストーブの前に移動し、ストーブの風にボーボーと吹かれています。
あまりにも近いのでストーブを消すと、何か言いたそうな顔でこちらを見てきます。
好きなテレビ番組は『競馬中継』と『テニス』、『きょうのわんこ』。寝ていても『きょうのわんこ』と聞こえると起き上がってテレビを見ています。
そんなデレクですが、昨年の年末、左後肢の前十字靭帯を傷めて手術をすることになりました。
整形外科の先生たちと麻酔科の先生たちにお世話になり、無事に手術を終えました。
デレクがんばりました。
ペットシーツで遊んでしまうので、お部屋の中に新聞紙を敷きました。たまたま『膝が痛い』という一面。まるでデレクの気持ちを物語っているようです。
3ヶ月ほどたった現在、まだ少し庇って歩いていますが、普通に生活できています。相変わらずストーブとテレビに囲まれて過ごしています。
これからはリハビリを頑張ってもらわないといけません。ストーブの前でダラダラしてるばかりではいられませんね。
猫ちゃんの爪切りについて
こんにちは。
動物看護師の田中です。
3月に入り暖かくなって来ましたがまだまだ朝晩は冷え込みますね。
今日は猫ちゃんの爪切りについてお話ししたいと思います。
我が家の愛猫であるメルちゃんは足先を触られるのが嫌いです。
もちろん他の猫ちゃんも足先を触られるのは苦手な子がほとんどだと思います。
そんな猫ちゃんの爪切りをご自宅でするのは難しいと思っている飼い主様も多いのではないでしょうか?
そこで我が家で行なっている爪切りの方法を紹介したいと思います。
基本的には機嫌の良い時やグルグル言って甘えてる時に行なっています。
まず、膝の上に猫ちゃんを乗せます。
しばらく顔を撫でてリラックスした後に手先を触ります。
そして、様子を見ながら爪を切っていきます。
爪を切る位置は爪の先端とピンクの血管が通っている部分の真ん中あたりです。
血管に近づきすぎると出血してしまう可能性があるので気を付けましょう。
万が一出血してしまった時のために止血剤を用意しておいてください。
ポイントは、無理せず嫌がる前にやめること!です。
最初は足先を触るだけ、爪を出すだけ、爪を数本切ってやめる、片手でやめる、と少しずつステップアップをして練習してみてください。
たくさん撫でて褒めたりおやつで褒めてあげる事も大切です。
お家で爪切りをする事で、猫ちゃんにとって病院に来るストレスを軽減出来たらと思っております。
ぜひ一度試してみてください!