2016年5月
気温の変化にご注意
こんにちは。 動物看護師の佐藤です。
最近暑くなったり寒くなったりする日々で、体調を崩される方も多いのではないでしょうか。
当院のスタッフも体調を崩すスタッフがいまして、気温の変化に気をつける毎日です。
そして、気温の変化に気をつけるのは私達だけではなく動物達も同じです。
特にこれからはワンちゃん・ネコちゃんの苦手な暑い季節がやってきます。
すでに入院室やペットホテルのお部屋では冷房をつけて室温の調節をしております。
見回りをしておりますと、寒い季節に比べてお水の減りが早く感じます。
お散歩に出してあげる時にはアスファルトが熱くなっていないか、よく注意しています。
アスファルトの上にしゃがんで見るとむっわとした熱気を感じます。
ワンちゃんの背の高さが、私 達がしゃがんだ時の高さとほぼ同じ位だとすると、私達が思っている以上に暑さを感じているの かもしれません。
お家でお留守番する時、車に乗せてあげる時にも、今日は暑くなるかな? お水はたりているか? 涼しい退避場所があるかな? と気にして見てあげて下さい。
私の家の猫ちゃんで板の間で涼む遙菜です。
うさぎには歯の病気が多いことご存知ですか?
こんにちは、獣医師の豊原です。
皆さんは何の動物を飼われていますか?
我が家では現在、犬とうさぎとインコが一緒に暮らしています。
当院は犬猫の患者さんが多いですが、うさぎの患者さんもいらっしゃいます。
そこで今日はうさぎの話をさせていただきます。
うさぎには歯の病気が多いことご存知ですか?
うさぎの歯は犬猫とは異なり、歯が一生伸び続けることが特徴です。
常に生え続ける歯と書いて「常生歯」といいます。
うさぎは草食動物なので野生では硬い草などを
奥歯ですりつぶして咀嚼し消化しています。
その際に歯も一緒にすり減るので、正常なうさぎでは
歯が伸びすぎてしまうことはありません。
飼育環境下でも適切な牧草などを与えていれば歯がすり減るので
歯が伸びすぎてしまうことは少ないです。
しかし柔らかいペレットや野菜ばかりを食べていると、
歯がうまくすり減らず歯が伸び過ぎてきてしまいます。
この状態を「不正咬合」といいます。
不正咬合になってしまうと歯が曲がった方向に伸び続けてしまい
曲がった歯が邪魔をして、食べ物をうまく食べられなくなったり
曲がった歯が口腔内に刺さってしまったりします。
このような状態になってしまったうさぎさんは
動物病院で定期的に歯のトリミングをしないといけなくなります。
一度不正咬合になってしまうと元に戻らないことが多いので
うさぎさんは普段から食事の内容に気を付けることが非常に大切です。
不正咬合の予防としては牧草をたくさん食べるようにして
ペレットを与えすぎないことが大切です。
採血について
こんにちは、動物看護師の渡部です。
今回は採血についてお話します。
血液検査するにあたって必要なのが採血です。
ですが、ワンちゃんや猫ちゃんは人間のようにじっとしていてくれるわけではありません。
そこで必要となってくるのが保定です。
動物看護師にとって保定は基本的な看護技術です。
そこで一般的な採血の保定法を紹介します。
外側伏在静脈(後ろ足の足首辺り)からの採血の場合
ワンちゃんは基本的にこの血管から採血します。
小型犬ではこのように抱っこした形で、膝が曲がらないようにしっかりと保定をします。
大型犬は台の上など大人しくできる場所で行います。
横に寝かせたり2人で保定をしたりする場合もあります。
橈側皮静脈(前足の前側辺り)からの採血の場合
この血管から採血することは少ないのですが、ワンちゃんも猫ちゃんも点滴を流す際にはこの血管を使用します。
ダックスなどの足の短い子たちはなかなか難しいのですが、肘を曲げないようにしっかりと保定をします。
大腿静脈(後ろ足の内股辺り)からの採血の場合
猫ちゃんは主にこの血管を使用します。
猫ちゃんは体が柔らかいので足を曲げたり、動かないようにしっかりと保定をします。
実際に採血しているところです。
毛をかき分けたところに青く浮き出ているのが血管です。
頸静脈(頸の前側に左右2本)からの採血の場合
ワンちゃんも猫ちゃんも使用する血管です。
紹介した中で1番太い血管なのでたくさん血が必要な時などに使用します。
以上の4種類の血管が採血の際によく使用する血管です。
保定法は使用する血管や、ワンちゃん、猫ちゃんの体格、そして性格によっても異なってきます。
大切なことは採血が安全に、スムーズに行えるようにすることです。
そのためには保定をする際にワンちゃんや猫ちゃんに声掛けも同時に行います。
優しく名前を呼んだり褒めてあげたり、まるで赤ちゃんをあやしているみたいです。
採血が終わった後もしっかり褒めてあげます。
採血されることが嫌いにならないように褒めることはすごく大切なことです。
ご家族の方も採血後はしっかりとたくさん褒めてあげてくださいね。
お年寄りのねこちゃんのトイレの工夫
こんにちは。
腫瘍科を担当しています院長の林宝です。
今日は腫瘍科の観点からねこのトイレについての事を書きたいと思います。
当施設の腫瘍科には、がんと闘うために抗がん治療を行っている動物が大勢います。
抗がん剤は、そのお薬の種類によって様々な副作用が問題となります。
その中でシクロフォスファミドという抗がん剤で一番注意しなければいけないのが出血性膀胱炎です。
この膀胱炎の予防で最も大切なのが抗がん剤投与後におしっこを我慢させないという事なのです。
ワンちゃんは、頻繁におトイレに連れて行ったり、お散歩に行ったりという事である程度予防が可能です。
しかし、猫ちゃんは結構難しい側面があります。
トイレが汚れていたり、トイレに入りにくかったりという事があると我慢してしまいます。
特にお年寄りの猫ちゃんは、ご家族が気づいていないレベルでも膝や股関節が痛い、あるいは足腰が弱っている事でトイレに行く事をついつい我慢してしまう事があるようです。
抗がん治療の有無にかかわらず排尿を我慢する事は動物にとっていい事はありません。
ご自宅でできる努力と工夫としてトイレをなるべく清潔に保ってあげる事とトイレの形や入りやすさを見直してあげる事をおすすめします。
市販されているトイレの入り口を比べてみると結構違う事がわかります。
写真の一番左端のトイレは犬用ですが、砂が飛び散るのが大変ですが、高齢の猫ちゃんにとってはこの方が優しいかもしれません 。