2015年12月
老化はなぜおきるのでしょう
こんにちは。獣医師の平林です。
先月、第1回シニア教室が開かれました。
予想以上の大勢の方々にご参加いただき、改めて『老化』とは大きなテーマであること感じました。
老化とは、時間の経過とともに進行する体の衰えを示します。衰えは見かけや体の調子の変化としてみられますが、その変化はもとに戻すことはできません。
教室では老化に伴ってみられてくる症状についてお話ししました。ここでは、老化とはなぜ起きるのか、ミクロの世界のお話をしたいと思います。
私たちの体は、さまざまな種類の細胞からなり、無数の細胞が集まってつくられています。
細胞は寿命がくると消えてしまうのですが、多くの細胞は分裂することで新しい細胞に入れ変わり、体が保たれていきます。
それぞれの細胞の寿命はさまざまで、どんどん分裂をして新しい細胞に入れかわるものと、一生を分裂せずに過ごす細胞があります。
例として、皮膚や血液の細胞は分裂がとても活発です。皮膚にケガをしても数日のうちに良くなるのは、すぐに新しい細胞で補うことができるからです。
一方、神経や筋肉の細胞は生まれてから死ぬまで分裂をしないで過ごします。神経や筋肉がケガをしたときには、傷ついていない細胞が、傷ついた細胞の分まで頑張ることで働きが保たれます。
このように、ヒトや動物の体は保たれているのですが、それでも衰えてきてしまうのです。
その理由はいくつかあるようです。
細胞が分裂し、新しく入変わることのできる回数には限りがあること、細胞にいらないものがたまったり、傷ついたりしてうまく働けなくなってきてしまうことが主な理由です。
細胞が衰えてくると、脳や筋肉、内臓などの働きが悪くなり、いわゆる『老化』としてみえてくるのです。
老化は、私たちが生きていく中でおきる変化の積み重ねであり、避けることのできないものです。
生き物の種類により老化の早さは違い、わんちゃん、ねこちゃんはヒトの5-7倍の早さで進んでいきます。
少しでも長く、元気に過ごしてほしいものですが、起きてくる変化を、長く生きてくれた証として受け入れてつきあっていくことが大切です。
適切な栄養・体重管理、ストレスの少ない生活環境づくり、適度な運動や遊びは体によく、老化を遅くするといわれています。
これらはご家族や私たちのしてあげられることです。
細胞を守り、元気に長生きしてもらいましょう!
分離不安ご存知ですか?
獣医師の福島です。
これからクリスマスやお正月といった楽しいイベントが目白押しの季節。
ワンちゃんやネコちゃんにとってはお留守番が多くなる季節かもしれません。
ペットホテルをご利用になる方もいらっしゃると思います。
そこで皆さま、分離不安という言葉、ご存知ですか?
文字通り、ご家族の方が不在時に限定して起こる不安行動や生理的症状を表す病気のことです。
病気と言われると少しショックかもしれませんが、近年多くなってきていると言われています。
私の愛ニャンコ:よく寝ています。寝てるところしかとれないのです。
(ぽーちゃん)
(かえでちゃん)
(そらちゃんとお母さんのくるみちゃん)
具体的な症状としては、
不安徴候:
過剰に声をあげたり遠吠え
物を壊したりする破壊行動
トイレ以外での排泄
生理的症状:
嘔吐・下痢といった胃腸症状
食欲不振
震え
舐性皮膚炎(手や足の先を舐める)
が挙げられます。この症状は、ご家族の外出後30分以内に現れます。
原因として以下の事が挙げられます。
・お留守番の練習が出来ていない
・ご家族のライフスタイルの変化(例えばご家族が増えたり、お仕事を始めたりすること)
・外出時や帰宅時に過剰に愛情表現をする
(いってくるかるね、良い子にしててね、と声掛けしながらぎゅっと抱きしめるなど)
・早期分離
(母親や兄弟から早く離されて育った動物は不安定な性質になると言われています)
・ご家族との過度な愛着関係
(どこに行くにも一緒の場合、例えばトイレに行くときにもついてきたりする場合は要注意です。また、いつも家にいて外の刺激やご家族以外の人や動物と社会的関わりを持たないことも病因になります)
(りゅう君は子猫が大好きでお世話をしていました。)
治療として、
行動学的治療:
・ご家族の動物に対する接し方を見直す
・お留守番に慣らせる
など行動修正をしていく
薬物療法:行動修正と同時に実施(お薬だけでは治りません)が挙げられます。
分離不安についてお話ししてきましたが思い当たることありませんか?
皆様の大切なワンちゃん、ネコちゃんはお留守番中どのような状態ですか?
ストレスなくゆっくりできてご家族の帰りを良い子で待っていてくれてますか?
かけがえのないご家族の一員のワンちゃん、ネコちゃんとお互いストレスなく楽しく幸せに暮らせるようアドバイス出来たらと思っています。
この病気はなかなか認知されずらいと思いますが気になることがあればご相談ください。
これからの季節を楽しみましょう。
(やっぱり寝ています。ナイスショット!)
屋上からの景色は・・・
トリマーの鈴木です。
冬の晴れた日、加えて空気の澄んだ日は、屋上から富士山が綺麗に見えます。
大分、下の方まで雪化粧をした富士山です。
朝、富士山に会えると、パワーをもらえます。
夕日に染まる富士山です。
富士山に加えて、綺麗な夕焼けも、秩父の山々も、埼玉動物医療センターの屋上からは見ることができます。
こちらは6月の夕焼け空です。
この日の夕焼け空は、全国的にすごい空になっていたと、あとから友人が教えてくれました。
とても幻想的でした。
この辺りの地域の6月の日没は、18:40〜19:00位だったと記憶しています。
富士山撮影時の12月4日の日没は、16:10〜16:30位でした。
19:00までが定時の私は…。
サボってはいません!
私の趣味は一眼レフカメラです。
(いつまでも初心者)
カメラを始めてから、今まで以上に綺麗な景色に関心を持ち、空を眺めることが本当に多くなりました。
当院のブログをご覧になってくださっている患者様、患者様ではないけれど、見てくださっている皆様、
心に余裕がない時、悲しい時、憂鬱な時、ネガティブな感情に押し潰されそうな時…
綺麗な景色を眺めたり、空を見上げてみませんか?
果てしなく続いている景色を見ると、心が落ち着いてきます。
自然の神秘を感じます。
たまには、頭をからっぽにして空を見上げ、深呼吸してみるのもなかなかいいものです。
やすらぎと潤いの緑
受付の井澤です。
12月に入り、早いもので今年も残すところあと3週間余りとなりました。
外の空気が冷たく、日没時間がだんだんと早くなってきましたね。
冬場気になるのが、湿度が下がることによっておこる空気の乾燥です。
室内では暖房器具の使用等によって、より乾燥を実感することが多いかもしれません。
当院の待合室には数種類の観葉植物が設置されています。
モンステラ
ポトス
ベンジャミン
ドラセナ
観葉植物には目で見て楽しむリラックス効果や空気をきれいにする作用があるほかに、水分を蒸散させて空気を潤す作用もあります。
今ならどこかにサンタさんが隠れている木があるかも…
ご来院の際はぜひ待合室の植物にも目を向けてみてください。