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2015年1月

埼玉動物医療センターの一日

 

こんにちは、副院長の石川です。

先日、診察の合間に患者さんが「病院のブログ、楽しくみています。」と言って下さいました。

そう言って頂いたのはとてもうれしかったのですが、実は自分の順番が近づいてきていたので「どんなことを書けば楽しんでもらえるかな…」とほんの少しのプレッシャーも感じていました。

さて、このブログは当院のスタッフが順番に書いています。

過去のものを少し見返してみたのですが、動物病院のブログなのでやっぱり健康や病気に関わる話題が多いですね。

そこで今回は健康や病気とは直接関係の無い話にしてみました。テーマは「埼玉動物医療センターの一日」です。

埼玉動物医療センターの朝は、診療開始の9時よりもずっと前から始まっています。

まず早番のスタッフが出勤し、掃除や入院動物の治療の準備などを行っていきます。

そのうちに他のスタッフも続々と出勤し、入院動物の朝の治療や検査が進められます。

8時半にはスタッフがそろい、その日の予定の確認や当直のスタッフからの夜間の引き継ぎなどが行われます。

9時になると外来診療が始まり、病院の朝が本格的に忙しくなります。

診療時間中は外来診療と併行して、入院動物さんのケアや検査などが続けられます。

午前中の診療が12時に終わると、食事と少しの休憩がとれます。

午後もたくさんの仕事があるので束の間の休息といった感じです。

食事休憩が終わるとミーティングが行われます。

ミーティングでは入院している動物さんの状態をみんなで確認し、手術や検査の分担や調整、連絡事項の確認などをしています。

ミーティングが終わると手術、検査、入院患者のケアなど、各自が担当となった仕事をはじめます。

リハビリやトリミング、事務仕事などもこの時間に集中して行われています。

この時間帯には時々「お休みのところ申し訳ありませんが…」といってお電話を頂くことがあります。

午後の診療時間までは休み時間だと思われてのお気遣いでとてもうれしいのですが、実際はお休みしているわけではないんです。

4時半には午後の外来診療が始まります。

午前と同じように外来診療と入院動物のケアが進められます。

7時半に診療が終わり、入院動物の治療も終了するとその日の仕事が終了となります。

残った片付けなどを遅番のスタッフが担当して行います。

夜間は当直のスタッフが見回りを行ってお預かりしている動物に変わりがないかをみています。

また夜間の救急患者さんにも備えています。そして翌朝も同じように朝が始まります。

埼玉動物医療センターの一日をご紹介してみました。

如何でしたか?

今後もより良い獣医療を行えるようにスタッフみんなでがんばっていきますので、よろしくお願いします。

 

いつまでも元気に暮らすために(シニア犬・猫のリハビリテーション)

こんにちは。

リハビリテーション科担当の藤澤です。

さて、大事なご家族の動物たち。

高齢になると、どうして体力が落ちてしまったり、自分で歩くのが大変になってしまいがちです。

でも、出来ればいつまでも元気に暮らしたいですよね。

そのためにはやはり、日々の適度な運動を続けるということはとても有効です。

膝が痛いとか、股関節が痛いとか、その動物によって身体の状況はちがいますので、

この運動をやれば大丈夫!!!というのは、ここでは申し上げられませんが、

日々のお散歩や遊びを、ちょっとだけアレンジしてあげるだけでも運動量は増えます。

たとえば…

・いつものお散歩コースに坂道や階段を取り入れる

・アスファルトの道だけでなく、草がはえているところ、砂利のところ…など、ちょっと歩きにくい場所も取り入れる

・たまには後歩きしてみたり、ジグザグに歩いてみたり。

・おうちの中では、たとえばご飯の前に「お座り→立ち上がる」運動を習慣にする

など、改めて「運動するぞ!」というのではなく、日常生活にプラスしてあげるだけでも効果があります。

寒い時はお散歩が短くなるかもしれませんが、そんな時はおうちの中で遊びながら運動させてみてください。

もちろん、どこか体に痛みや不具合がある場合は無理しないようにしてくださいね。

楽ちんにできるペースでいいのです。

 

新病院に移転したら、リハビリテーション室も広くなります。

今は実施していませんが、病気や怪我の後の機能回復目的だけでなく、健康維持やダイエット目的の運動教室、マッサージ教室も時々やってみようかなと計画中です。

家族みんなの元気が一番ですね!

 

 

犬や猫のがんを早期発見するためには!

こんにちは、腫瘍科を担当しています院長の林宝です。

今回は、ご自宅でできるがんの早期発見方法について書きたいと思います。

皆さんご存知のようにがんは命を奪う恐ろしい病気です。

しかし、動物のがんの治療は年々進歩しており、完治できるがんも増えてきているのも事実です。

がんを治すには、なんといっても大切なのが早期発見です。

同じがんでも発見時期によって完治率が大きく変わってくるのです。

 

1.とにかく良く体中を触ってあげる事

病院で身体検査を受け頂く事でがんを発見できる事もありますが、実は身体検査はご自宅の方が詳しくできます。

どうしても動物は診察台の上では緊張や興奮をしてしまう事が多いですが、ご自宅でリラックスしている時はゆっくり、じっくり触る事が可能です。

専門知識がなくても皮膚や体の表面にできたできものは毎日触っていれば小さな物でも気づける事が多いと思います。

林宝1

<背中に発生した皮膚肥満細胞腫>

 

2.発見しにくい場所

がんがよくできるのに発見しにくい場所があります。

ひとつが口の中にできる口腔内腫瘍です。特に殆どのワンちゃんは、病院では口の中をじっくりは見せてくれません。

ご自宅でリラックして口を開けている時に覗き込むようにして下さい。2つ目が肛門周囲の腫瘍です。肛門の周りにも腫瘍は頻繁にできますし、肛門嚢(におい袋)にもがんができる事は珍しくありません。

お尻の穴なんて普段見ないところですが、注意して見て、触ってあげて下さい。

3つ目が耳の内側です。ここにも腫瘍ができますのでよく見てあげて下さい。

それから雄犬の精巣も高齢でがんになる事があります。精巣も触ってあげて下さい。

林宝2

<身体検査で発見された口腔内腫瘍>

林宝3

<肛門嚢アポクリン腺癌>

林宝4

<耳の内側に発生した肥満細胞腫>

 

3.リンパ節を触ってみましょう

体の表面にあるリンパ節の位置を覚えて頂き、触ってみて下さい。

犬と猫で最も多いがんであるリンパ腫を早期に発見できるかもしれません。

<体表リンパ節(犬も猫も基本的に同じです)>

 

4.鼻血が出たら直ぐに病院へ

動物は人と違って滅多な事では鼻血が出ません。

くしゃみが続いたり、1回でも鼻血が出たら鼻腔内腫瘍の可能性がありますので直ぐにご相談ください。

犬や猫の糖尿病

あけましておめでとうございます、獣医師の姉川です。

年末年始はいかが過ごされたでしょうか。

私はお正月に食べ過ぎて体重や血糖値が気になるところです。

ご自身の体重や血糖値を気にしている方は多いと思いますが、実は動物でも大事なことなんです。

肥満については先月のブログに書いてあるので、今回は血糖値と関係のある糖尿病について紹介しようと思います。

人間でも有名な糖尿病ですが、その名の通り血糖値が上がり過ぎておしっこに糖分が出てくる病気です。

血糖値を下げる働きのある「インスリン」という物質を作っている臓器である膵臓の異常や肥満、遺伝など色々な原因で起こります。

そして、どんな子でもなる可能性のある病気です。

糖尿病になることで感染しやすくなったり、眼や腎臓に異常が出たり、病気の進行により昏睡状態になってしまうこともありますので、早めの診断・治療が大切です。

 

・・・と、怖い病気でもある糖尿病ですが、治療により多くの子が元気に生活することができます。

病院で糖尿病と診断された場合は、インスリンを注射して血糖値を下げてあげることで糖尿病をコントロールしていきます。

また、女の子の場合は避妊手術をしてホルモンの影響を減らしてあげればコントロールしやすくなることもあります。

糖尿病の子は水を飲む量やおしっこの量が目に見えて増えますので、ご家族で気づかれる方もいるのではと思います。

おうちのわんちゃんねこちゃんで思い当たることがありましたら、いつでも相談にいらしてください。