2014年9月
第4回神経科オープンセミナーのお知らせ
第4回神経科オープンセミナーを開催します。
今回のテーマは「けいれんの基礎的概念と基本的治療方針」。
講師は当施設の神経外科・神経内科担当の金園晨一(米国獣医神経科専門医)です。
今回は、神経科を受診される主訴の中で多くの割合を占める「けいれん発作」についてです。
「発作」=「けいれん」と思い込んでしまったこと、経験がある方は多いのでは無いでしょうか?
「けいれん」の患者に対する最初のアプローチは、それを疑うところから始まります。
けいれん患者は、何年間も先生方の病院に通い続けます。
けいれんの管理方法、緊急時の処置法などで日頃の診察で悩むことが多い先生方、是非お越しください。
時間に余裕があれば、実際の症例を複数ご紹介します。
※お申込み方法 :申込書に必要事項をご記入の上FAXにてお申し込み下さい。
※お問い合わせ先:埼玉動物医療センター 担当:鵜飼(うかい)04-2966-1031
開催日時 | 2014年11月9日(日曜日) 19:00 - 21:00(受付開始18:30~) |
会場 | 埼玉動物医療センター 別館 セミナールーム |
対象・定員 | 獣医師・50名(定員となり次第お断りする場合がございますことをご了承下さい) |
参加費用 | 2000円(ハンドアウト込み・当日受付にてお支払下さい) |
締切日 | 2014年11月2日 |
第4回整形外科オープンセミナーのご案内
第4回整形外科オープンセミナーを開催します。
今回のテーマは「骨折治療のファーストステップ」
講師は当施設の整形外科専門外来担当獣医師の福田真平です。
骨折治療の失敗の原因のほとんどが”整形外科手術の原則”に従っていないことにあります。
骨折手術は二回目、三回目となるほど難易度が増し、合併症も同様に増え、場合によっては運動機能を取り戻すことの出来ない状態になってしまうこともあります。
骨折治療を成功させるにはまず、その基本となる”骨折の分類”、”骨折治癒のコンセプト”、”インプラントの特性”などを修得する必要があります。
今回のこのセミナーでは、骨折治療の基礎の基礎を皆様にご紹介したいと思います。
開催日時 | 2014年10月30日(木) 20:30-22:30(受付20:00~) 途中休憩10分程度 |
会場 | 埼玉動物医療センター 別館 2階セミナールーム |
対象・定員 | 獣医師・50名(定員となり次第お断りする場合がございますことをご了承下さい) |
参加費用 | 2000円(ハンドアウト込み・当日受付にてお支払下さい) |
締切日 | 2014年10月29日(水) |
※お申込み方法 :申込書に必要事項をご記入の上FAXにてお申し込み下さい。
※お問い合わせ先:埼玉動物医療センター 担当:庄山(しょうやま)04-2966-1031
トリマーの七つ道具
トリマーさんて、どんなものを使ってトリミングしているの?と、お思いの飼い主様もいらっしゃるかと思います。
今回は、トリマーの鈴木が「七つ道具」をご紹介します。(何を七つと数えるかは人によって違うかもしれません)
こちらはスリッカーとピンブラシ、コームです。
スリッカーで被毛を少しずつブラッシングします。
皮膚や毛質、毛玉の状態で、ハードスリッカーとソフトスリッカー、ピンブラシを使い分けています。
そのあと、コームでもつれや毛玉が残っていないかチェックします。
コームは、カットの時も使用します。
こちらのコームは、スワロフスキーのキラキラがついていて、裏面には、私と愛犬と、先代の愛犬のネーム入れをオーダーでしてあります。私のお気に入りです。
落としてしまった時に、キラキラが2つ取れてなくなってしまいました…。
クリッパー(バリカン)です。
仕上げたい長さにあわせて刃を替えます。
当院のトリミング室では、0.1㎜〜11㎜をそろえています。
鉗子と爪切りです。
鉗子で耳の中に生える毛を抜きます。
最近では、奥の毛は小さなハサミでカットしています。
爪切りで、血管ギリギリまで切ります。
爪切りが嫌いな子は多いですが、体勢や抑え方をかえると、おとなしく切らせてくれることもあるので、工夫が大切です。
ドライヤーです。
ハンドドライヤーとスタンドドライヤー、アーム式ドライヤーがあります。
シャンプー後の濡れた被毛を乾かし、しっかりと伸ばします。
きちんと伸ばしてあげないと、カットにも影響が出ます。大切な作業です。
そして、ハサミです。
左から、ヒゲ•マユ毛カットバサミ、ボブバサミ、スキバサミ、仕上げバサミ、粗刈り用です。他にも、カーブバサミ、プラッキングナイフ、レイキングナイフなどありますが、当院のトリミング室で行うカットは、この中の2本〜5本で対応しています。
トリミングを終え、飼い主様がお迎えに来られた時、「可愛くなった」「キレイになった」と、喜んで下さる飼い主様の笑顔が見れた時がとても嬉しいです。
獣医療のレベルアップのために・・・
こんにちは、獣医師の森田です。
毎月1回、1日の診療後に、獣医師全員で集まりミーティングを開いています。
内容は、
海外の文献を要約し発表・討論
院内で使用する書類やパンフレットの提案・考察
治療指針の検討/問題点の洗い出しおよび改善方法の検討
など様々で、獣医師全体で意識の共有をはかっています。
院長を初めとして多くの獣医師の前での発表になるため、若手の獣医師にとっては知識を得るだけではなく、プレゼンのトレーニングにも非常に役立っています。
更なる、獣医療のレベルアップのため、今後も定期的に開催していきます。
こんにちは。獣医師の鵜飼です。
こんにちは。獣医師の鵜飼です。
現在当院では、獣医師向けに定期的にオープンセミナーを実施しています。
さて、先日神経科担当の金園先生による6回にわたる神経病シリーズの第3回目が開催されました。
今回の内容は、「脳神経の基本的機能のおさらいと機能障害」についてでした。
脳神経機能については以前より複雑で覚えにくいと考えていましたが,本講義を聴いて実はシンプルな機能であり,ただイメージが湧きにくいだけであったのだと思いました。
脳神経の機能検査に関して,専門医の視点からのアプローチ方法を学べてとても有意義な時間となりました。
次回は11/9(日)に第4回目の神経科オープンセミナーが開催される予定です。
もし神経科オープンセミナーに関して知りたい・聞きたいことがある獣医師の方々がおられましたらお電話(鵜飼まで)にてご連絡ください。
入院中のご面会方法
今回は受付の井澤から入院中の動物たちのご面会方法についてお伝えします。
当院では、手術、検査、治療などでお預かりしている動物たちがたくさん入院しています。
入院中の様子は、担当の獣医師から飼い主様にお伝えするとともに、ご面会をしていただくことが可能です。
しかし、手術の直後や、その動物の性格、状態によっては、直接飼い主さんに会って興奮させてしまうことが禁忌になる場合があります。
そのような場合、当院では、小型のカメラで様子を映し、モニターしていただく方法をとっています。
犬舎や猫舎の前にカメラを設置し、動物を映します。
モデルはカルマちゃんです。
映像は待合室のモニターに映し出されます。
カメラで見ていただくことで、動物たちを余計に興奮させることなく安全に面会することができます。
ご面会方法は、担当獣医師や飼い主様に相談の上決めさせて頂いております。
何かご不明な点がありましたらスタッフにご相談ください。
ちょっと珍しい犬達
動物看護師の中村です。
我が家は、5頭の犬と猫1匹とで暮らしています。今回はあまり見かけない犬種なので、少し紹介したいと思います。
『ホワイトシェパード・ドッグ』
普段目にするシェパードは、ジャーマン・シェパード(原産国はドイツ)。
ホワイトシェパードは、アメリカン・カナディアン・ホワイトシェパード(原産国はアメリカ、カナダ)とホワイト・スイス・シェパード(原産国はスイス)がいます。
同じシェパードでも原産国が色々あります。
『バーニーズ・マウンテン・ドッグ』
原産国はスイス。昔は荷車などを引いていた力強い犬です。
『スコティッシュ・テリア』
原産国はイギリス、スコットランド。気が強くて頑固者です。
以上は、陶芸が趣味の母の力作です。
ちなみに、本物はこちらです。
シェパードとバーニーズは供血犬として頑張っています。
できものを見つけたとき、病院で針吸引検査を行ってみませんか?
獣医師の平林です。
生れは長野で、入間に住み始めて数年が経ちました。大学時代は青森に住んでいたので、実家にはなかなか帰れませんでしたが、今はちょこちょこ帰っています。
この間、実家の犬と遊んでいたら、からだにしこりがあるのをみつけました。ドキッとして、悪いものだったら…と、心配になりました。
みなさんも日常、動物と触れ合っているなかで、なんだか腫れている、しこりが触れる、と気づかれることはありませんか?
そしてそれから思う事は
・何のできものなのかな
・治療をした方がいいのかな
・どんな治療になるのかな
・治療をすれば治るのかな…
このようなことだと思います。
答えは…
できものの種類によって様々です。
今回は、できものを見つけたとき、このような疑問の答えに近づくためのはじめの検査、針吸引検査についてご紹介します。
針吸引検査は、できものに針を刺して細胞をとり、顕微鏡で観察する検査です。できものの場所や、動物の性格にもよりますが、麻酔は必要にならないことがほとんどです。
細胞の形や様子から、
何のできものか
腫瘍か、腫瘍でないか
良性か、悪性か
診断をします。
できものの性格を知ることができ、
治療の時期、方法を検討するにあたり、大切な判断材料になります。
例えば、この猫ちゃんは耳の付け根に腫れがみられました。針吸引検査を行うとつぶつぶした顆粒をもつ丸い細胞が観察されました。
検査の結果、できものはただの腫れではなく、肥満細胞腫という腫瘍でした。肥満細胞腫は皮膚や内臓にできる悪性腫瘍で、早期の治療が必要です。このねこちゃんはすぐにできものの切除を行いました。
これはねこちゃんのおなかのできものです。2-3年前よりおっぱいの近くにみられていたそうですが、大きくなり、皮膚が破れてきてしまいました。
針吸引検査を行ったところ、乳腺腫瘍が疑われました。乳腺の腫瘍は悪性であるほど、隣の乳腺に広がっていく心配があります。このねこちゃんの乳腺腫瘍は悪性であったため、できものを含めてつながりのある乳腺も一緒にとることをご相談しました。
次はわんちゃんのおしりです。しっぽの右上に硬いできものと、左の太ももにおもちのような形をした柔らかいできものがあります。
針吸引検査を行ったところ、しっぽの右上のできものからは細胞があまりとれませんでした。細胞の結びつきが強く、硬いできものからは細胞がとりにくいため、針吸引検査では診断が難しいことがあります。
このような場合には、組織生検といって、できものの一部を切り取って病理診断を行う検査に進みます。
組織生検を行ったところ、切除をした方がいいがんであることが分かったため、わんちゃんには手術を受けてもらいました。
左の太もものできものは、脂肪腫という良性腫瘍でした。脂肪腫は良性の腫瘍で、急激に大きくなったり、生活の邪魔にならなければ、治療はせずに様子をみることができます。このわんちゃんもこちらのできものは経過をみることになりました。
できものにより治療が様々であること、その際に、針吸引検査が大切な判断材料になることの例を少しですがご紹介してみました。
針吸引検査は、できものの一部しかみていないので、確定診断はできませんが、動物への負担が少なく、できものの情報を引き出す事のできる有用な検査です。
できものを見つけたとき、病院で針吸引検査を行ってみませんか?