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画像診断科

お腹の画像検査を受けるときの注意点

こんにちは。画像診断科を担当しております獣医師の勝山です。

今回は、お腹の画像検査を受ける際の注意点をお話したいと思います。

人でも健康診断や精密検査などの検査を受けるときは絶食を指示されることがあると思いますが、動物でも同じように絶食が必要な場合があります。

左の画像は食後のわんちゃん、右の画像は絶食をしたわんちゃんのお腹の超音波画像です。

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左の画像は、食後のため胃の中にごはんやガスなどの内容物がみられます。これにより、全体の胃壁の状態が見えにくくなっています。

右の画像は、絶食のため胃の中が空っぽであり、胃の状態がよくみえます。胃の入口にできものができているのがわかります。

この2つの画像は、実は両方とも同じわんちゃんの画像です。食後に検査をすると、病変があるのにごはんがじゃまで見えないということがわかります。

この画像は胃の入口の病変ですが、胃にごはんがたくさんあると、胃の周りにある臓器(肝臓や膵臓など)や血管、リンパ節などの観察も難しくなってしまいます。また、下痢や嘔吐など、消化器症状がある場合に、胃の他、腸の状態も食後の変化により観察や正確な評価が難しくなってしまいます。
 

このように、食後に検査をすると、観察したいところがみえないことがあり、再検査が必要になることがあります。

しっかりとした診断をするために絶食でご来院ください。

また、お腹の画像検査以外の検査(血液検査、麻酔をかける検査など)でも絶食が必要になることがありますので、もし絶食した方がいいかわからなければ病院スタッフにお尋ねください。

 

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