ノルウェージャン•フォレストキャットのめんまについて
獣医師の安藤です。
お正月を迎え、もうすぐ2月という時の流れの早さに驚いています。
今日は私の飼い猫、ノルウェージャン•フォレストキャットのめんまについてお話しようと思います。
家に迎えてから早7年。初対面にも関わらず、私の膝の上で熟睡していた子猫時代。
成長した今でも相変わらずマイペースで、たまにかまってくれる家族の癒しの存在です。
現在は離れて暮らしているのですが、時々帰って全身を触るようにしています。
去年の11月、いつも通り撫でまわしていたところ、右側の第二乳腺付近に7mmほどの硬いしこりを発見しました。
猫の乳腺腫瘍は悪性腫瘍(乳腺癌)である確率が8〜9割、発見した段階で転移していることも多い疾患です。
全身検査を行ったところ、幸いにも明らかな転移所見はなく、後日右側乳腺全摘出手術を実施しました。
猫の乳腺腫瘍の積極的な手術方法は、犬の場合と少し違います。
しこりだけをとるのではなく、腕の付け根のリンパ節から、後肢の方のリンパ節まで入るように乳腺を全て摘出する術式が基本となります。悪性度が高く、しこり自体が小さくてもリンパ節へ転移する可能性があるためです。
傷もその分広範囲になるため、飼い主としては抵抗感がありますが、今できる限りの治療をと、私はこの手術方法を選択しました。
抜糸まで無事に終了し、現在は以前と変わらない生活を送ってくれています。
性格にも依存しますが、猫さんはしっかり触られるのを嫌がったり、長毛種では特に被毛によってできものの発見が遅れてしまうことが多々あります。
乳腺腫瘍の場合は、発見したときの腫瘍の大きさや転移の有無が余命に深く関与しますので、日々のスキンシップを大切にしていただければと思います。
また、早期の避妊手術も予防には効果的です。
(写真1:猫の乳腺腫瘍の大きさと生存中央値について)
ご家族のわんちゃん、ねこちゃんに病気の診断がなされた時、今後の治療方針などについて悩んでしまうことがあると思います。その際に前へ進めるようお手伝いできればと思いますので、ご相談ください。
(写真2:術後、階段を登れるまで回復し嬉しそうなめんま)
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