画像診断科
胸水について
こんにちは、獣医師の勝山です。
新年になりましたが、未だ新型ウイルスの収束はみえず、落ち着かない生活を余儀なくされていることと思います。
しかし、こういったご時世にかかわらず、具合の悪い動物はかわらず病院に診察にきます。
今回は胸水について少しお話します。
胸水とは、胸の中に貯まる水のことをいいます。
胸の中には主に心臓、肺がありますが、肺はとても柔らかい臓器なので、胸に水が貯まると水のせいで肺が膨らめなくなってしまいます。このため呼吸が苦しくなってしまいます。
胸水の原因は、腫瘍や心臓病など、様々な病気があります。
診断にはまずレントゲン検査を行います。
レントゲン検査で、胸水やその他の病気(肺炎や肺水腫など)がないか調べます。
これは正常な胸のレントゲン画像です。
真ん中に心臓がみえて、その周りの黒いところが肺です。
これは胸水が溜まっている胸のレントゲン画像です。
胸の半分くらいが白くなってしまい、正常な肺は半分くらいしかみえません。
白くなっているところが胸水です。
胸水が溜まっていることがわかったら、原因を調べるために溜まった液体の検査や超音波検査などを行い、原因に合わせた治療を行っていきます。
呼吸が明らかに苦しくなった場合にはお家でも気付けると思いますが、初期には少し呼吸の回数が増えた程度の事が殆どで気付けないことが多いです。
そのため、普段どれくらいの速さで呼吸しているかをチェックしておくと、呼吸が速くなったときに気づきやすいと思います。
お家にいる時間が長くなっているときだと思いますので、ぜひチェックしてみてください。
チェックするときは、運動後や食後などは避けて、落ち着いているときにしてくださいね。
〜参考〜
犬の呼吸数の基準値
小型犬:20〜30回/分
大型犬: 15回/分
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