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ペットの食事管理について知ろう

こんにちは。看護師の高橋です。

最近、飼い主様よりお食事についてのご質問を沢山頂くので食事管理について少しお話させて頂きます。

わんちゃん、ねこちゃんは必要な栄養素を適切な量で与えなければなりません。食事量が多すぎたり、少なすぎたりしないようコントロールしてあげる必要があります。

よく、「どのくらいの量で食事を与えたら良いでしょう?」という質問を頂きますが、食事量はその子のライフステージや運動量などで大きく変わってきます。

ペットフードのラベルを見ると、どれくらいの量をあげたら良いか記載しているものもありますが、そうした値は参考値にすぎません。その子の体重を元に、食事量を調整する必要があります。

そこで今回は、ペットの1日の必要カロリーを計算してみましょう。

まず、必要カロリーを算出するには

安静時エネルギー要求量 と 1日当たりのエネルギー要求量

というものを計算していきます。少し難しそうですね。

 

まずは言葉の定義からご説明します。

 

【安静時エネルギー要求量(RER)】

食事を与えられている正常な動物が常温環境で安静にしている時のエネルギー要求のことをいいます。安静時エネルギーには、身体活動後の回復と摂食のため消費されるエネルギーなどが含まれます。

【1日当たりのエネルギー要求量(DER)】

あらゆる動物の1日当たりの平均エネルギー消費量で、ライフステージと活動量に左右されます。ライフステージや活動には、労役に必要な活動、妊娠授乳および成長などがあります。DERは、1日当たりの必要カロリー量として見積もられます。

では、計算方法についてです。

 

① ペットの体重から、安静時エネルギー要求量を求めます。

  RER=30×体重(kg)+70   もしくは  70×(体重(kg))0.75

 

② 安静時エネルギー要求量から、1日当たりのエネルギー要求量を求めます。

  DER=RER×係数

※避妊去勢していない成犬の係数:1.8

 避妊去勢済みの成犬の係数:1.6

 肥満傾向の犬係数:1.4

 高齢の犬の係数:1.4

※避妊去勢していない成猫の係数:1.4

 避妊去勢済の成猫の係数:1.2

 肥満傾向の猫の係数:1.0

 高齢の猫の係数:1.1

 

 

これで、1日の必要カロリーを出すことが出来ます。

ちなみに、病気の時はエネルギー要求量が大きく変動します。調子を崩して眠る時間が多くなると、DERは低くなります。しかし、外傷を負ったり手術を受けたりした場合はDERは大幅に高くなります。

当院では、入院治療が必要となった子に対して個々にカロリー計算をしています。入院理由や病気の種類によって、必要カロリーを算出し厳密な食事管理を行っています。

病気の子の食事管理の場合は、制限しないといけない栄養素が出てくる事もあります。

特別療法食を用いて、食事療法が必要な場合も出てきます。

こちらが当院で扱っている特別療法食の一部です。

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たくさんの種類がありますね…!

 

その子その子に合わせた食事管理が必要となるため、ペットの栄養管理は非常に奥が深いです。どの食事をどのくらい与えたら良いかな?先生から○○を制限するように言われたけど、この種類は与えて大丈夫ですか?など食事管理について分からないことがあればいつでもお気軽にご相談下さいね。

 

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