腫瘍科
お口の中に潜むできものにご注意を
お口の中に潜むできものにご注意を
こんにちは、腫瘍科 獣医師の平林です。
当院の腫瘍科では、皮膚のがん、内臓のがん、鼻のがん、血液のがんなど、様々ながんの診療をしています。
今回は、最近診療の機会が多い、口の中に潜むがんについてお話をしたいと思います。
がんは体のいろいろな所に発生します。
動物では皮膚のがんが最も多く、比較すると口の中のがんは多くありません。
ただし、皮膚のできものは、動物の体の見た目の変化や、ご家族が動物に触れている時の違和感から、発見されやすいのに対し、口の中のできものは大きくなるまで発見されにくいことが多いです。
口の中にできものができても、最初のころは普段通りに食事をする子も多いため、できものが大きくなって口の外側に出てきたり、頬が腫れてきたりするまで見つからないことが多いです。
口のできものには、炎症による歯肉の腫れや、良性の腫瘍、悪性の腫瘍(がん)があります。
炎症や良性の腫瘍は、歯科処置や、できものの切除で治ります。
がんについても、手術で取り切れれば完治が望めます。
しかし、できものを完全に取るには、顎の切除が必要になり、少し大掛かりな手術になることもあります。
また、大きくなってからの発見では、がんを完全に取り切ることが難しく、すでにリンパ節や他の部位に転移していることもあります。
がんは発生を予防することが難しいできものです。
しかし、早期に発見することで、しっかりと治療ができることもあります。
動物の口の中をしっかり見るのはなかなか難しいですが、動物があくびをした時、ワンワンと吠えている時、はあはあと息をしている時、歯磨きの時などにのぞいてみてください。
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