皮膚病について
こんにちは、獣医師の宮本です。
夏が近づいてくると気温や湿度が上がり、皮膚のトラブルで来院されるわんちゃんが増えてきます。
実は皮膚病の診察では、季節や気候も大切な情報なのです。
そしてそれだけではなく、ご家族から伺う様々な情報が皮膚病の診察には欠かせません。
今回はそういった皮膚病の診療で大切な、ご家庭での情報についてのお話しをしたいと思います。
まずはワンちゃんのアトピー性皮膚炎という皮膚病を例にしてみます。
アトピー性皮膚炎はかゆみの強い皮膚病です。最初の痒みは若いころにみられることが多く、また花粉やダニなどがアトピーに関与していることが多いため、季節によってかゆみが悪化することがあります。
他にも、かゆみの部位やアトピーになりやすい犬種、などの特徴もあり、様々な情報を統合して診断を行います。
アトピー性皮膚炎に限らず、皮膚病の診察で教えていただきたいポイントを以下に挙げました。
皮膚のトラブルで来院される際に、整理をしておいていただけるととても助かります。
●痒みについて
・かゆみはいつ頃からありましたか?
・かゆみはどの部位からはじまりましたか?
・かゆみはどのように広がりましたか?
・かゆみがみられるようになったきっかけや、悪化するきっかけはありましたか?
(食事内容・シャンプー・生活環境の変化、薬やサプリメントの服用)
・かゆみの程度はどのくらいかですか?(たとえば、夜も眠れないくらい、など)
●食事
・現在とこれまでの食事(できれば製品名まで)はどういったものですか?
・おやつは与えていますか?(その種類も)
●生活の環境
・ふだんの生活は屋内か屋外か、どちらですか?
・散歩には行きますか?どういったところに行きますか?
●同居動物やご家族
・一緒に暮らしている動物に同じような皮膚のトラブルはありませんか?
・ご家族(ヒト)の中で皮膚の問題がある方はいませんか?
●予防
・ノミやダニの予防は適切に行っていますか?
・ワクチン接種を最近しましたか?
●皮膚以外の問題
・皮膚の問題が発生する前後で、体調(元気、食欲、飲水量、排便、排尿、呼吸など)に変化はありませんででしたか?
・皮膚の問題以外に病気はありませんか?
こららの情報を整理していただき、一緒にワンちゃんネコちゃんの痒みを解決していきましょう!
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