治療方針は一緒に決めていきましょう
こんにちは、副院長の石川です。
今日はワンちゃんやネコちゃんが病気になった時の治療方針を決めることについてお話ししてみたいと思います。
ワンちゃんやネコちゃんの病気が分かった場合に、どういう治療をするかを決めていくことになります。
その時に方針を決めるのは誰でしょうか?動物では本人が決めることはできません。
ご家族はそのワンちゃんやネコちゃんのことをよく分かっていて、どのような治療をしてあげるのがその子のためになるかということを一番分かっていると思いますが、おそらくは“医療的に”どういった治療ができるのかはわからないのではないかと思います。
一方、私たち獣医師は医療的にどういった治療を行うことができるのかはわかりませんが、患者であるワンちゃんやネコちゃん、そしてそのご家族にとってどういった治療を行うのがベストなのかを直接知ることができません。
ヒトの医療では、そうした治療方針の決定を行う際に、以下のように色々なやり方が提案されています。
・EBM(根拠に基づく医療):データなどの情報も大事にしよう
・NBM(物語に基づく医療):患者さんの物語も大事にしよう
・VBP(価値に基づく診療):色々な価値も大事にしよう
・SDM(共有意思決定):患者さんと医者で一緒に決めていこう
それぞれに特徴があるのですが、共通しているのは「医学的な面も大事だけど、患者さんの気持ちも大事なので、それらを合わせて一緒に治療方針を決めていくのがいいよね」というところです。
こうした考えは動物の医療にも当てはまると私は考えています。
患者本人であるワンちゃんやネコちゃんは、気持ちを語れませんがそれを代弁できるご家族がいます。
その子にとっての良いことが何かを、ご家族と私たち獣医師が一緒に考えていければいいと思っています。
ですので、診療の際には是非、ご家族としてのお気持ちをたくさん教えてください。
それがないと私たちは何が本当に良い治療なのかを考えることができないのです。
言葉の話せない動物のために、一緒に良い治療を行なっていければと思っています。
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