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整形外科手術の後の安静

こんにちは、看護師の後藤です。

最近めっきり寒くなりましたね。

みなさん、診察の際、獣医師に「2.3日安静にしてください」や、「2週間安静にしましょう」と言われたことはありませんか?

最近、僕自身、整形外科の診察に入らせて頂くようになり、みなさんから安静が難しいと言った声をよく耳にします。

一言に安静と言われても、わかりにくいかと思います。

ですが、特に整形外科など、運動に直接関わる部分の病気や障害(骨折など)は安静が何よりも重要となります。

整形外科は折れた骨をプレートなどで固定する方法以外にも、骨を切って正しく治癒するように意図的に骨を切ったりします。

そうして折れたり、意図的に切った骨は治癒するのに約2.3ヶ月の時間を要すると言われています。

骨が適切に治癒するまでは、金属の板と金属のネジでいわゆる仮止めをしている状態なので、その状態で強い力がかかると簡単に曲がったり、折れたり、ネジが緩んだりしてしまいます。

そのため獣医師からは時に厳しく運動の制限を指示されることがあります。

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こちらが実際に骨を固定するプレートと呼ばれるものです。比較で綿棒と写してみましたが、小さいですね。

とても小さいので、強い力がかかるとすぐに曲がります。

安静って難しいですよね?ですが、とても大事です。

とくにケージレストといってケージに入れて安静を指示されることがあります。

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このようにケージに入れておくことをケージレストといいます。

…でも入れるとワンワン吠えて逆に暴れてしまうのでは?と心配される方も多くいらっしゃます。

ですが、家の中で自由に歩き回り、フローリングなどで足を滑らせたり、思わぬ瞬間に突然走ってしまったりすることはとても危険ですし、人間には快適なソファも犬にとっては大きい障害で、そこに飛び乗ったり、飛び降りたりする危険があります。

家を自由にさせているとそうしたことを完全にさせないようにすることは不可能に近いと思います。

犬は痛みが落ち着くと元気になりますが、骨や靭帯、筋肉の治癒には時間がかかります。

そうした意味でも囲われた安全なところで運動を制限する必要があります。

整形外科手術後の安静の仕方によって、治癒にかかる時間も変わってきます。

たとえ、手術が100%成功したとしても安静が上手くできなければ最終結果が変わってきますし、もう一度手術になってしまうとお金もまたかかってしまいます。

そうならないためにも、普段の生活からケージでの生活に慣れているといいと思います。

元気な時であればみなさんも吠えたり、鳴いたりしても心配なことは少ないと思いますので、日常生活の中でケージで過ごす時間を取り入れてみてください。

お留守とかではなく、普段の何気ない時間に入れてみるところから始めるといいと思います。

慣れるまではワンワン吠えると思いますが、そこは心を鬼にしていただいてあえて反応しないようにしましょう!そうすると諦めて落ち着いて寝ると思います。

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私の飼っている栗王(クリオ)くんもケージに入れてはじめはワンワン、クゥンクゥン、うるさいですが、しばらくすると寝ています。

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ケージレストに慣れておけば、整形外科手術後の安静だけでなく、入院しなければいけないときや、ホテルに預ける際のストレスが減るのでとてもいい事だと思います。

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