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総合診療科

よくあること・・・誤飲

よくあること:誤飲(獣医師:福島)

最近、夜間救急に誤飲で来院されたワンちゃん・ネコちゃんを何度か続けて診察しました。

食べてしまったものはドーナツやおせんべいのように私たちが日頃食べているものだったり、ペットシーツや靴下のように日常に普通にあるもの、また、タバコ、人用の薬を飲みこんでしまったりと様々です。

誤飲はどの年齢でも起こりうることです。

気を付けてはいてもちょっと目を離したすきに、あっと思ったときには既に、危ないとは思っていたけれどなどなど動物病院に誤飲で来院される件数はかなり多いのです。

もしかすると皆さんの中にもドキッとする経験をお持ちの方もいるのではないでしょうか。

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(写真1:楽しそうに遊んでいます)

誤飲と一言で言っても本当にありとあらゆるものを動物たちは口にしてしまいます。

よく知られているのはネギ類やチョコレートによる中毒があります。このように、中毒を起こすものもあれば、異物として胃の中にとどまるもの、腸に詰まってしまうものもあります。

また、もっと手前の食道内に詰まってしまう場合もあります。代表的なものをいくつか挙げ、それぞれの症状・治療を簡単にご説明します。

中毒を起こすもの:

タマネギ・チョコレート・アルコール(日本酒など)

保冷剤・漂白剤・風邪薬・頭痛薬・タバコ・観葉植物

農薬・殺鼠剤・ホウ酸だんご・その他

症状として嘔吐・下痢などの消化器症状、肝臓や腎臓などの排泄系臓器の障害、呼吸困難やけいれんのような神経症状が出る場合もあります。

毒素によって溶血し貧血が起きたり血が止まりずらくなったり、不整脈や心不全により突然死を起こすこともあります。

治療として静脈内点滴や症状に合わせた治療をしていきます。貧血が重度の場合、輸血が必要なこともあります。

異物として誤飲しやすいもの:

ボール(テニスボール・ピンポン玉など)

おもちゃ(ぬいぐるみの綿・口に入る大きさのものはなんでも)

たね類(梅干しの種・果物の種など)・食べ物(果物・お菓子・ワンちゃん用ガムなど)

串付きのやきとり

日常のもの(タオル・靴下・ボタン・アクセサリーなど)

ひも・リボン(特にネコちゃんに多いです。)・その他

症状として、嘔吐、食欲不振、元気がない、腹痛などがあります。胃の中にあって詰まっていない場合は症状がないこともあります。

治療として、催吐処置(胃の中にある状態であれば薬で吐き出させることが可能な場合があります。)、内視鏡(胃カメラ)で取り出す、吐き出すことが困難なもの(大きいものやとがっているものなど)や腸に詰まっている場合はお腹を開けて手術で取りだすことになります。

このように人が日頃口にしているものが動物にとっては中毒の原因になったり、家の中や散歩コースなど生活環境内には異物になるものがそこら中にあります。

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(写真2:部屋の中捜索中)

 

具体的な対策としては、

①誤飲する機会を与えない・状況を作らない

口にしてほしくないものは可能な限り動物の口が届かない場所に置く・しまう

床に落ちているものに注意する

ゴミ箱はふたつきにする

おもちゃを選ぶ・おもちゃで遊ぶように促す

すぐに壊れないものであまり小さすぎないもの

生活用品やそれに似たものは与えない(スリッパ・タオルなど)

嚙んでもいいおもちゃを与える(いくつか用意してローテーションすると飽きない)

おやつの大きさにも注意する(与えてよいものでも大きさによっては詰まることも)

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(写真3:等身大のおもちゃ・4:壊れずらいゴム製のおもちゃ・5:おやつの大きさも注意!)

②人があわてない・奪い合いの競争をしない

飼主さんがあわてて声を出したりすると急に飲みこんでしまうことがあるので注意が必要です。

また、口にしてほしくないものを飼い主さんが繰り返し取り上げていると、飼い主さんの興味を引くために動物がいろいろなものを口にするようになったりすることがあります。

③できれば日頃から号令で口から物を出す練習や名前を呼ぶと振り向く練習をしておく

「ちょうだい」といったらくわえているものを離す練習をしたり、対象物から遠ざかることを教えることも出来ます。

名前を呼んで振り向いてくれれば先に口にしてはいけないものを見つけたら名前を呼んでワンちゃん達の注目を飼い主さんに集めることが出来ます。

小さいうちから練習しておくと良いですね。

④ワンちゃんやネコちゃんの本質的な部分を満たしてあげる

若くて活動的で好奇心が強いワンちゃんは運動や遊びを増やすことで誤飲リスクが減ります。

食事の量が足りない場合も誤飲することがあります。

⑤不安を取り除いたり、食欲が増してしまう病気がないかチェックする

不安が原因による誤飲もあります。

ネコちゃんのウールサッキングは布や毛布を吸うのですがひどくなるとそれらを食べてしまいます。

早期離乳による不安気質が原因といわれています。

食欲が増してしまう病気としては糖尿病や副腎皮質機能亢進症などがあります。

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(写真6:ふわふわのベットは食べ物…ネコちゃんのウーサッキング)

これからの季節、クリスマスやお正月など楽しいイベントが待っています。

この時期は誤飲も多くなる時期です。まずは環境の整備・管理をしてみて下さい。

それでも誤飲してしまった時には早めに動物病院にご連絡下さい。楽しくハッピーな冬を過ごしましょう。

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(写真7:魚とったぞー

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