整形外科を受診する動物について
整形外科担当の獣医師の福田です。
整形外科を受診する動物は関節疾患や骨折により”痛み”があります。
大抵の場合手術やお薬での治療により痛みが緩和されると動物は元気になり、活発になっていきます。
しかし、手術や治療をしてすぐに元の生活に戻れるわけではありません。
人の場合で考えていただければよくわかると思うのですが、しばらくは松葉杖をついたり、ギブスをしたり、サポーターをつけたりします。
これは動物も同様で、身体の組織が修復し安定するまでにはどんな治療をしても時間薬が必要となり、治るまでは無理をせず安静にする必要があります。
しかし動物は人と違い、自分で安静にしたり使い過ぎないようにコントロールすることができません。
痛みが取れたらすぐに走ろうとしますし、跳びはねることもします。
つまり、ご家族が動物が安静にできる環境を作り、安静にできるようにコントロールしなければ動物は自分では大人しくすることはないのです。
いつも私達は手術を受ける患者様にお話することは、手術と同じくらいこの術後の安静が重要であるということです。
動物を安静にすることは簡単ではありません。
よく動物をケージに入れておくとずっと鳴いていて可哀想とおっしゃる方がいらっしゃいます。
しかし全く可哀想ではありません。
上手く行かなければまた手術が必要になるかもしれないし、100点満点の結果が得られないかもしれません。
それは動物にとってハッピーなことでしょうか?
動物は自分の状況を理解できていませんし、私達の言葉は通じません。
動物の治療にはまずご家族の意識を変えていただくことが重要です。
ご家族がこの子のためにやっているんだという確信を持たないと、動物もいつまでも諦めずに訴えるでしょう。
そして本来は、ケージの中に入る習慣を普段からつけることです。
慣れていればこのような怪我をした時だけでなく、ホテルに泊まる場合などにも動物のストレスは少なくなります。
人と同様、可愛がるだけが動物を愛することではありません。
動物との生活をより良いものにするために是非一度そのようなことも考えて普段の生活を送ってみてください。
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