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神経内科・神経外科

椎間板ヘルニア ~犬と人の病態の違い~

こんにちは。獣医師の鵜飼です。

最近日差しの強い日が目立ち、夏の気配を感じますが、皆様は元気にお過ごしでしょうか。

私は先週から家のエアコンを始動しました。

さて、今日はよく知られている椎間板ヘルニアについて犬と人との違いを交えながらお話ししたいと思います。

まず、椎間板とは背骨と背骨の間にあり、運動時に背骨へ加わる衝撃を緩和・吸収する、いわば、クッション材の役割をしています。

この椎間板は、2層構造を形成しており、中心部にクッション材のゼリー状(ゼラチン様)物質、それを取り囲むように外側に線維層のカプセルを形成しています。これは犬も人も同じです。

人の場合、日々の生活で腰を曲げ伸ばしすることで生じる負荷に椎間板が耐えようとし、外側の線維層が分厚くなります

これが脊髄を圧迫するため長い時間をかけて徐々に手足の痺れなどを起こすと言われています。

しかし、ミニチュアダックスフンド、トイプードル、フレンチブルドックなどの犬種(軟骨異栄養犬種)は2歳頃までに中心部のゼリー状物質が硬く変化してしまいます

そのため,線維層に亀裂を加えていき、完全に裂けることで硬く変化したゼリーが脊髄へ衝突します。そのため、犬の椎間板ヘルニアの多くはいつも急激に前触れなく起きます。

これらの理由から、人のものと比較して犬の急性のヘルニアは脊髄への障害が重度なことがしばしばあります。

もちろん犬にも人の様な椎間板ヘルニアは認められ,特に大型犬でよく認められます。

以上が人と犬の大きな違いでした。また、珍しいですが猫にも椎間板ヘルニアは起きます。

椎間板ヘルニアはミニチュアダックスフンドで圧倒的に多い疾患です。

ある報告では、ミニチュアダックスフンドの4頭に1頭がこの病気になると考えられています。

これほど発生率の高い病気はないかもしれません。

ご家族の犬・猫の手足に不自由が認められたり、歩けなくなってしまった場合は早めに動物病院へ相談してくださいね。

 

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引用:Canine and Feline Neurology

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