心臓病科
心臓の音
こんにちは。獣医師の上嶋です。
獣医師がいつも身に着けている聴診器。
私は大学3年生の時に購入したものをずっと愛用していましたが、先日、ついにチューブが劣化し、新しいものに変えました。
今までのネイビーのチューブから、バーガンディーのチューブに変え、気分も一新しました。
獣医師は、聴診器でどんな音を聞いているのでしょうか?
心臓の音、肺の音、腸が動く音など、様々な音を聞いて、動物の状態を把握しています。
今回は、心臓の音についてお話しします。
心臓の音は、第1音と第2音という、二つの音が1セットとなって聞こえます。
よく、「ドックン、ドックン」と表現されますが、ドッの部分が第1音、クンの部分が第2音になります。
これは、心臓の中の弁が閉じる時に聞こえる音です。第1音は、僧帽弁、三尖弁という弁が閉じる時に聞こえる音で、第2音は、大動脈弁、肺動脈弁が閉じる時に聞こえる音です。
不整脈が起こると、「ドックン、ドックン」というリズムに乱れが生じます。
また、弁から血液が漏れてしまったり、血管を通る血液のスピードが速くなると、「ザー、ザー」という雑音が混ざります。
どこのタイミングで、どのような雑音が聞こえるか、また、どの場所で一番大きな雑音が聞こえるかによって、心臓のどこに異常があるかを、ある程度予想することが出来ます。
心臓病は、軽いうちには症状が出ないことがほとんどです。
中には、心臓の音に雑音が混ざらないタイプの心臓病もありますが、定期的に健診を受け、心臓の音に問題がないかをチェックしておくと、早期発見、早期治療につなげられるかもしれません。
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