猫ちゃんの尿道閉塞
こんにちは。獣医師の上嶋です。
最近すっかり寒くなりました。
今回は、寒い季節に増える、猫ちゃんの「尿道閉塞」についてお話しさせて頂きます。
「尿道閉塞」とは、結石や尿道栓子(炎症によって、膀胱や尿道から剥がれ落ちた細胞、血液、結石の成分などがかたまったもの)によって、おしっこの通り道である尿道がつまってしまう病気です。
尿道閉塞は、尿道が細くて長い男の子で多く起こります。
この病気の症状は、おしっこをしたくても出ないので、何度もトイレに行って、おしっこを出そうとふんばります。
ふんばりすぎて吐いてしまう猫ちゃんもいます。
おしっこが長時間出ないと腎臓に負担がかかり、腎不全になってしまったり、膀胱が破裂して命に関わることもあります。
おしっこが出にくそうだなと感じたら、なるべく早く動物病院を受診して下さい。
では、尿道閉塞を予防するにはどうしたらよいのでしょう。
おしっこが膀胱の中で長い時間とどまっていると、おしっこの中の結石の成分がかたまって、結石が出来やすくなります。
よって、お水をたくさん飲むこと、おしっこを我慢させないこと、結石の成分であるマグネシウムを摂取しすぎないことなどが大切となります。
また、猫ちゃんは、ストレスが原因となって膀胱炎になることが多いので、ストレスをかけないことも大切です。
寒くなると、お水を飲む量が減るため、ご飯にウェットフードを加えてあげたり、水飲み場を複数用意してあげたり工夫をしてあげるとよいでしょう。
蛇口から出るお水や、動くお水が好きな猫ちゃんもいます。
おしっこを我慢させないためには、快適なトイレを用意してあげます。
十分な広さのトイレを、猫ちゃんが安心できる場所に用意してあげましょう。
また、トイレの数は、猫ちゃんの頭数+1個が理想といわれています。
定期的に尿検査を行い、結石の成分が出ていないかチェックしてあげることも出来ます。
ご希望の場合には、なるべく新鮮なおしっこを、診療時間内にお持ちください。
猫ちゃんは泌尿器のトラブルが多い動物です。
普段から、猫ちゃんのおしっこの様子をよく観察してあげて、病気を早期発見してあげましょう。
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