高齢なわんちゃんの眼のケア
こんにちは、眼科を担当しております獣医師の中原です。
家を片付けていたら、昔愛犬に使っていたバギーが出てきました。
愛犬は16歳と長生きだったのですが、晩年は眼の病気を煩い、15歳の時、眼科専門医の小林先生に手術をしてもらいました。
その後は目薬が手放せなかったので、バギーで一緒に通勤していました。
さて、今回はそんな愛犬を思い出しながら、高齢なわんちゃんの眼のケアについてお話したいと思います。
高齢なわんちゃんを飼われている方で、最近眼の表面が白っぽい、涙が増えた、少し眼が赤いみたいと感じている方も多いのではないでしょうか?
高齢になってくると、心臓や腎臓など内蔵の病気が心配になると思いますが、身体の代謝が落ちることで、眼にも症状が出てくることが多くみられます。
また、年とともに瞬きをする回数が減ったり、涙の量が減ることで、眼が乾きやすくなってしまいます。
この写真は、17歳になるわんちゃんの眼の写真です。
眼の表面に、きらきらした白いものが見えると思います。
これは、身体の代謝が落ちることによって、カルシウムなどのミネラルが角膜の表面に沈着している状態です。
この部分の角膜は弱っており、傷ができやすく、また傷になると治りにくく、悪化しやすい部分です。
この写真も17歳のわんちゃんの眼なのですが、白い部分が少し剥がれて、傷(角膜潰瘍)ができています(緑色に染色されている部分が、傷ついているところです)。
高齢なわんちゃんは傷の治癒力も衰えており、悪化すると手術が必要になることもあるため、日頃から眼の傷を予防していくことが大切です。
日頃のケアとしては、まず保湿治療です。
ヒアルロン酸の目薬や眼軟膏を用いて、眼が乾かないようにしてあげます。
また、瞬きをあまりしていない子が多いので,人の手で瞬き運動を補助してあげるような、まぶたのマッサージを毎日してあげると良いでしょう。
私事ですが、数ヶ月後にはバギーに愛犬ではなく、赤ちゃんを乗せて歩く予定です。
来月から産休に入らせて頂くため、お休みの間、ご迷惑をお掛け致しますがよろしくお願い致します。
眼科診療については他のスタッフがサポート致しますので、お気軽にお問い合わせください。
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